カペッツァーナで搾りたてオリーブオイルの時期にいただいたレシピを振り返ってみました。 シェフ・パトリツィオが、お台所でパパッとまかないみたいに作ってくれたポレンタのスープ。 これは表舞台のランチテーブルには上らず、キッチンの私たちだけでいただいたもの。 搾ったばかりのオリーブオイルをスープに回しかけると、緑の香りがふわっと立ち上がり、 すばらしい味わいでした。 ◆カーボロネーロと西洋ネギのポレンタ スープ仕立て ◆作り方: 1. まず西洋ネギ(ポッロ)とカーボロネーロを刻み、ブロード(だし)とともに鍋へ。 2.よく火が通ったら、ポレンタをかきまぜながら少しずつ入れていきます。 そして胡椒で味を整え、隠し味にペペロンチーノ(唐辛子)、そしてパルメジャーノ。 3.最後にたっぷりのオリオヌオヴォをかけて出来上がりです!Buon Appetito!
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今朝、カペッツァーナのオーナーであるボナコッシ伯爵家の末っ子・農学博士のフィリッポ(上の写真。ボナコッシ家の兄弟姉妹、それにしてもみな本当に良く似ている)から今年のオリーブオイルについて素晴らしいニュースがあったと連絡がはいりました。 パネルテストといって、プロの方々、カペッツァーナの内部の人間が一堂に会して今年のオリーブオイルの評価をするのですが、そこで酸度やポリフェノール値も発表になり、酸度については、今まで聞いたこともない、酸度0.05!を記録したというのです。そしてポリフェノール値は280! 私はもちろんですが、フィリッポ本人もこんなに低い酸度は、今まで聞いたことがないとのこと。 とても喜んで報告してきてくれました。 ポリフェノール値も200ぐらいが一般的でしょうから、280というのは秀逸!抗酸化作用に富む=アンチエージングや抗がん作用が高いということになります。 今年のオリオヌオヴォは、例年より少し柔らかい感じのデリケートな出来(フレンチ系のシェフから日本でも絶賛していただきました)だと思っていたので、さらに驚きました。 写真下は昨年の写真。右:オリオヌオヴォ、真ん中:粗いフィルターをかけた1年前のオイル、左:ノンフィルターの1年前のオイル。一緒にテイスティングしてみると、1年もたす場合には粗いフィルターをかけた方が品質に優れていることが明確になりました。そのため、昨年から船便分は、粗いフィルターでお届けしています。 昨日のパネルによるテイスティングでは、トスカーナのオリーブオイルの権威のひとり、ダメリー二氏と、アグロモノ(農学者)のベコンチー二氏も出席。いつものアーティチョークの風味に、青リンゴやアーモンドの加わって余韻もエレガント、と両者から高い評価とお褒めの言葉をもらったようです。 収穫が始まったばかりのときのサンプルを日本にそのまま置いてきたので、あれから1ヶ月、その後の収穫やデキャンティングして今どんな風味か、、、ううう、、楽しみでなりません。 ただいま通関中、なんとか早く倉庫に入れて、出荷準備を整えたいと思います。今しばらくお待ちいただけますように、、。 トスカーナからオリオヌオヴォが届いたら、まずこんな風にお豆料理がよいなぁ、と思っています。
写真は、昨年の収穫のはじめにいただいた、ひよこ豆とオリオヌオヴォ、お塩とこしょうのみ。 これほどの相性ってあるかしら。やっぱり、シンプルに勝るものなし、ですね。 さて人付き合いについて。アメリカなどでは知り合った瞬間から親しく名前を呼び合うこともあるようですが、これと少々違うのがヨーロッパ。とくにボナコッシ家のような貴族の方々とは、年数を重ねていくことが、財産なのだな、と感じる次第。付き合いも、早15年となろうとする今、こんなに嬉しいニュースがあると嬉々として連絡をくれるようになりましたが、始めの頃はこわーい人かしら(まぁ、感じが悪いともいう)と思うほど。この表面的でないことが、ゆっくりとお互いを理解しあうようになると、かえって深い信頼関係を築けるのだな、と感じています。これも時間がかかったけれど、彼らがくださった学びなり。 ボナコッシ家そしてカペッツァーナに働く人々全員に、こんな素晴らしいオリーブオイルを、たくさんの苦労をしながらも自然を大切にしながら作っていることに、心からの感謝と敬意を捧げます。 いまか、いまか。待っていた連絡がやっと入りました。
トスカーナのオリーブオイル生産者カペッツァーナから。 数年前のように、収穫量がゼロだったらどうしよう、、と 心配で心配で。お客様の期待に応えられるかも判らないし、 (実際、搾りたての空輸便は、今までどれだけお断りしたか、、涙。) 私たちも打撃ながら、数年続いて不作の生産者としての カペッツァーナの打撃の大きさはいかほどか、と祈るような気持ちでいました。 豊作年の約半分の収穫、と不作だった昨年。 今年は?? 昨年よりさらに収穫量20%減、、、だそうです(涙)。 とくにカペッツァーナの特徴ともいえる、モライオーロ種が少ないそうで。。。 う、う、う。(泣) オリーブの実だけでなく、もうひとつのビジネスの核であるワイン用の 葡萄にいたっては、いつもの30%しか実らないとのこと。 あぁ、カペッツァーナのみなさん、、。どんな気持ちか。。。 胸が、とても痛みます、、。 私たちがお付き合いしている生産者の方々は、 (認証有無でなく)オーガニック栽培の方々がほとんど。 こうした自然をリスペクトしたモノ作りの生産者に、 ここ数年留まるところを知らない悪天候の打撃は、計り知れません、、。 さて、輸入について。 例年通り、たくさんの方々からお問い合わせをいただいている今、 20%も減ってしまったら、また需要に間に合わない、、、固まる私に、 ボナコッシ伯爵家の娘ベアトリーチェが 『もりみ、私たちがどれだけ日本を大切にしているか、よく知っているでしょう。 大丈夫、できるだけ昨年の分ぐらいは確保できるように努力するから』とのこと。 本当よね、本当よね? 少しだけ心は安堵したものの、問題はまだあります。。。 生産量が少ないので、仕入価格はもちろん(かなり)アップ。 そしてユーロ為替は、昨年にくらべ15%ほどのユーロ高。 無濾過ノンフィルターで空輸、 船便で長くキープするものは、フィルターしたオイル、 というカペッツァーナの判断に同意して輸入した昨年。 今年は、どうするか?? まだまだしばらく確認事項は続きそうです。 なんとか10月はじめには、ご予約を承れるように務めていきたいと思います。 どうかみなさま、ご理解をいただきますよう、お願いいたします。 週末、恵みの雨が振って、少しでも状況が変わりますように。。。 9月も後半になり、ハラハラはますばかり。なぜなら、オリーブの収穫量がどのくらいになりそうか、この時期の雨などの気候条件で変わってくるから。
シチリアのザハラはすべて順調なようで、10月の第一週か第二週にはしぼり始められそうと、先週連絡があった。ほーーーっ。 トスカーナのカペッツァーナは、日々連絡しているものの、“まだ判らない、まだ判らない”。今週こそ、と今は月曜日の朝。早速連絡をしたが、まだ返事はなし。カペッツァーナのオリオ・ヌオヴォを紹介し始めて、もう10年以上が経つ。毎回、あのグリーンのフレッシュな旬の味を楽しみにしてくださるお客様に、なんとかしてお届けしたい(祈)。オリーブミバエ、ひょう被害、酷暑など、オリーブに何重もの苦難が訪れた三年前は、カペッツァーナは“搾らない”という大きな決断をした。つまりオリーブ搾油量がゼロ。9月の早い時期、カペッツァーナのオーナーであるボナコッシ伯爵家のフィリッポ(農学博士)が、何度か試しにオリーブを搾った後の苦渋の決断だった。とてもカペッツアーナを冠したオリーブオイルの質にならないと。なんと100年間で初めての出来事だった。フィリッポの姉で、マーケティングを担当するベアトリーチェは、畑で泣き崩れたと言っていた。・・・判る(涙)。 辛い決断ではあるが、“あぁ、この人たちと仕事ができて誇らしい”と思えた瞬間でもあった。なんと誠実な仕事振りであろうか。オリーブの実も自分たちの畑(元領地)のものしか使わないのだから。オリーブの実を他から仕入れるという選択が、まったくない仕事への真摯な姿勢に、心から敬服した。 オリーブオイルは、常にスキャンダルがつきものだ。例えばオリーブオイルのイタリアの生産量と、イタリアの販売量が合わない。つまり、ギリシャ産やアフリカ産のオリーブオイルを混ぜてしまい、嵩を増す。あるいは、安い他国のオリーブオイルをそのまま詰めて“Made in Italy 100%”のシールを貼ってしまうなど、誰も驚く話しではない。つまり海千山千が横行する世界なのだ、残念ながら。 それだけに、どれだけ誠実な生産者とつき合えるかがとても重要になる。どのような畑でどのくらいの広さか、今年の収穫年のオリーブの実はどんな状態か、搾油所の衛生状態はどうか、どの機械でどう搾っているかなど、すべて把握しておかないと怖くて付き合えない、ということだ。 あぁ、そろそろ電話がかかってこないかしら。。。 |
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