「バイオダイナミック農法って怪しくないですか?」
そんな声が聞こえてきました。 そこで、私見を書かせていただけたらと思いました。 私も東京に住んでいる際に、ドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナーが 提唱したこの農法について、「満月の夜に牛の角に牛糞を詰めて畑のどこどこに埋める」 的なことを聞いた時に、頭の中で「???」とハテナがいっぱい飛びました。 どういうことなんだろうかって。 ただイタリアでこのバイオダイナミック農法を実践している人々の畑を いくつも訪ね、その人たちの仕事の仕方と、豊かな土壌を見た後には そうした思いはもうありませんでした。 大自然の畑に立った時、感覚的にストン、と腑に落ちたのです。 「あ、そうか。輸送手段も限られ、外からは簡単に何も入手できない時代に、 身近なものでどうしたら作物の質を上げるために、 土壌を豊かにできるか試行錯誤の結果、生まれた農法なんだな」って。 いきなり科学的でなく、すみません、、、。 私が唯一事実として言えることは、バイオダイナミック農法をするのには 科学的なものは一切使えず、バイオダイナミック農法のデメター認証取得のためには 有機農法より、ナチュラルであるべき規制が多いです。 結果、有機農法の何倍もの手間がかかる場合が多いことが予測されます。 (というのは有機農法は幅広く、有機用の農薬も売られており そうした合理的な手法で大規模に展開する人もいれば、 農薬不使用で大変な手間と苦労をかけて実践している方々もいます) バイオダイナミックの生産者さんにお会いすると、 自然に対するリスペクトや共生の考え方を持っている方が多く、 またみな揃ってハードワーカー、よく働く方々ばかり。 自然であることを優先し、 そのために手間と仕事が増えることを厭わない人たちです。 私は彼らの仕事と姿勢を心から尊敬しています。 もちろん、さまざまな方々がいると思うので 私が存じ上げているのは、お付き合いのある生産者、 その他お知り合いになれた生産者の方々に限られますが。 私たちの生産者の方では 素晴らしいバルサミコ酢を作っているグエルゾーニが40年近く、 またハーブを届けてくれているシモンさんが30年近く バイオダイナミック農法を実践しています。 彼らの土壌の豊かさたるや! 前回グエルゾーニを訪れた時に、土壌をよく見てみました。 柔らかく、色も濃く、30センチほど掘ると虫もいっぱいます。 彼らはバイオダイバーシティ(イタリア語だとBiodiversitaビオディヴェルシタ)、 つまり生物多様性をできるだけ高める努力をしていて、 畑にはたくさんのと鳥がやってきたり、 背の低いロバ(高いとぶどうを食べてしまうリスクがあり)や うさぎなど、いろんな努力をしています。 そうした動物の糞が土壌での肥料になり、また微生物が豊かになれば その分、土壌もさらに豊かになる訳です。 ぶどうの苗を植えて3ヶ月で2メートルぐらいまで 育った例もこの眼で見ました。 土壌が豊かというのは、栄養分がたっぷりあるということ。 現にグエルゾーニのお酢に含まれるミネラル分は、 一般品に比べて何倍にもなっている、というデータがあります。 それゆえ、私はバイオダイナミック農法のことを 究極の有機農法、と表現している人に共感しています。 私の知見はごく限られている可能性もありますし、 知らないこともたくさんあると思います。 彼らの膨大な努力が実って、素晴らしい作物が出来上がり、 そして手間と時間をかけて素晴らしい品に丁寧に仕上げてくれる。 化学的なものを排除し、できるだけ自然にあるもので 土壌の力、植物の力を高める。 ロジックでは落とし込めないから、怪しいとなると思うのですが みなさまに豊かな自然の恵みをお届けしたいと願っている私たちは 私たちが知る生産者さんの畑の土壌の豊かさに、 彼らの作物の香りと味の豊かさに、 彼らの実直な仕事の姿勢と、自然への尊敬の念を根拠に、 バイオダイナミック農法で作られた品々を 自信を持ってみなさまにお届けしたいと思います。 みなさまの食卓が豊かであるお手伝いができますように。 以下の写真は上二枚がグエルゾーニの畑で、肥料を発行している場所の写真。 下の二枚が畑での様子です。土壌のアップの写真がなくってすみません。。。
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