イタリアは酷暑が続いていますが、日本の夏はいかがでしょうか。 私はここのところ、出張で飛び回っておりました。 6月中旬の出張は、カタログ撮影。 トスカーナの友人の家をお借りして、4日間ほど篭りきりで 新しいカタログの撮影を行いました。 撮影場所は私がいつもクリスマスにお邪魔している、夢の家。 初めて訪れた時はまだ子どもたちが小さかった、、、 考えると、もう30年ほど経っている(汗)。。。 1200年代の石の塔が家の基礎になっており その石の表情の美しさに毎回うっとりします。 庭の延長にはオリーブ畑もあり、 秋には自分たちのオリーブオイルを搾り 1年間自家オイルを使っているマリオさんたち。 ブドウ棚の下のテラスでの朝ごはん。 飼っているに鶏の卵の茹で卵での手打ちパスタ。 自家製のジャムや私たちのために焼いてくださった クロスタータというトルタも朝食に。 菜園で採れた野菜を使ってお料理。 近くに薪焼きのパン屋さん。 40年間ここで暮らすマリオさんとマルツィアさんには ごく普通の日常が、私たちにとっては一つ一つ夢のような暮らし。 まさに、「これぞトスカーナ暮らし!」という 感じです。あぁ、憧れます。 以前からこのお家でぜひ、私たちの商品の撮影を
実現できたらどんなに素敵だろう、と思っており カタログを新しくするにあたり、思い切ってマリオたちに 頼んでみたら、「もちろん良いに決まってるじゃないか!」と 快諾してくれ、いざトスカーナへ。 このためにスエーデンから来てくださった、 フォトグラファーのジェニーさん。 以前のカタログも彼女にお世話になり、 私たちのサイトやオンラインショップで使用している写真は 彼女が撮ってくれたものが多いのです。 スタイリングも上手なジェニーさんに 絶大な信頼を寄せています。 数年前は、記録的に暑かった6月のミラノで 撮影をしました。友人の家のテラスをハシゴして 朝から夜遅くまで熱風の中で仕事したのも 今では良い思い出。 ジェニーは今回も朝早くから、夕食の時まで ひとときもカメラを離さないほど、フルに仕事してくれました。 今、映像を待っているところですが出来が楽しみでなりません! 大切に思える人々と仕事できるのは、 本当に有難いことですね。 4日目の夕方にピクニックの撮影を終えたら、 みなで実際にそのままピクニックして乾杯! 限られた時間であれ、トスカーナの暮らし、そして 食卓の豊かさに触れられたのはとても貴重な体験と なりました。 夏から秋にかけて、カタログ制作が待っています。 みなさんに商品の素晴らしさをお伝えできるように がんばります!
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さ今日は久しぶりにアドレナリンがフルにでた感じでした。
「どうしても紹介したい人がいるんだ、チーズと食材店のすごい店を ピエモンテの小さな町でやっていてね。彼のチーズをぜひ食べさせたい。」 そう聞かされ続けて5年ぐらい経った気が? その噂の彼がチーズを持ってミラノにやってくるというので、 急遽のディナーに呼んでもらったのでした。 まずフレッシュチーズのRobiolaロビオーラと Gorgonzolaゴルゴンゾーラをスプーンにひとすくい。 早く味わったみなが一斉に“う〜〜〜〜ん、、、”と目を閉じて唸るのを 横目にみつつ、私もさっそくチーズを口をに運んでみました。 まずロビオーラ。はそれはもう形容しがたいほどフレッシュで、 澄んだミルク味が口に広がり、溶けてしまいそうな美味しさ! 次はゴルゴンゾーラ。えええええっ!? ゴルゴンゾーラってこんなに美味しかった?? つっかかるものが何もなく、まろやかにすぅーっと溶けています。 “Spettacolare! とんでもなく美味だ!”横で友人が声をあげる始末。 "なんなのですか、一体これは!?"と目を丸くして彼に聞くと、 昔ながらの製法でいまも作り続けるチーズ職人さんやサラミ職人さんを 探しては彼らから直接仕入れ、自分の小さな店で売っているとのこと! すごいすごい! 今やゴルゴンゾーラの中小の工房はほとんど大手に吸収され、 彼が惚れ込んでいるチーズ職人さんなどは奇跡のような存在らしいです。 実際彼の年配のお客様方は、このゴルゴンゾーラは 子どものとき食べたゴルゴンゾーラの味がする、とおっしゃるそう。 美味しさの秘訣は、通常の発酵温度より1.5度低くして、 長い熟成させるそう。もう本当に夢の味。 ピエモンテまで通わなくはならないではないか!と思わせるほど。 その後の熟成チーズもキツさや塩っぽさがなく、まろやかで、 通常、チーズの量があまり食べられない私でも、 これだったらいくらでも行けそう、、。 すべてのチーズの印象が、どれも舌にお腹に軽やかなのです。 早速、彼と私で食のオタク同士、すっかり意気投合! 私からはパンテレリア島の生産者・ボノモ さんの ジビッボぶどうのスプレッドの製法や、そしてモスト漬けのことを話したら、 ぜひ紹介してくれ!と彼。 レモンマーマレードの作っているビデオも、嬉しくてたまらなそうに 見ていました。 ペペロンチーノとオリーブの実を一緒にして搾るオリーブオイル にも目を丸くして、うわーこれぜひ食べさせて!と。 また私たちが紹介しているバーギズのパネットーネに使う、 卵の話から(鶏に音楽を聞かせてあげていると伝えたら、 卒倒してました。また1日1000個もの産みたて卵を手で 割っていることも。"黄味だけ詰めた紙パックを買わない、 そんな菓子職人がまだいたのか!"と彼も興奮)、 100年間生き続けている天然酵母の話や、 石臼でひいた5分つき小麦の粉のこと、膨大な時間をかけて 昔ながらの手法で丁寧に作っていることなど、、、。 彼はもうすぐ入ってくるという、モルタデッラやブレザオラの製法や アルタムーラのパン、ロマーニャのピアディーナの職人たちについて 語ってくれ、オタク同士、おおいに盛り上がり続けました。 これはもうお互いに食の情報を共有し合うしかないね!と いうことに。 イタリアのすごいところは、多分一生かかっても 網羅することがでいないだろうぐらい、食文化が多種多様なこと。 だから決して飽きることがないのです、本当に幸せなことに。 彼の膨大な知識たるや、どんなに未知の世界を私に教えてくれることか。 とんでもない同士ができて、これから知るであろう食の探訪が もう楽しみでなりません〜。 久しぶりにアドレナリンが全開、興奮した夜でした。 シチリア島とアフリカ大陸の間の島・パンテレリア 島。 この火山で生育する植物はどれも香り高い。ミネラル豊富な肥沃な土壌と、強い太陽の光や風が、 さまざまな植物を他の場所とは違う特性へと変性するらしい。 まず島の名産・ケッパー。 ボノモ さんが島の一番高い場所で有機栽培するケッパーはカリッとした歯ごたえとしっかりした風味、塩漬けにしているトラパニ産の塩までおいしい。 ケッパーはツナのサラダや、魚のアクアパッツァ、ジャガイモのサラダにセミドライチェリートマト と、とちょっと入れるだけで、その塩味でぐーんと美味しくなる。 私たちが日本に紹介しているのはミディアムサイズ。小さいのが高級とされているけれど、1kgにするとたくさんになるから、というのが島の人の弁。島の人にすると、少しサイズが大きい方がケッパーの香りがしっかりしているし、サラダにも料理にも使いやすい。叩いて使うにもちょうどいい、と教えてもらった。 昨年6月に訪れた際には、添付で乾燥させ、手作業でハーブに仕立てた濃厚なオレガノの香りにもびっくりしてしまった。少し手で揉むと、うわっと香りがひろがる。かたちもシチリア本島で見るオレガノとは少し変わっている。 ミントのような後味がさわやかで、トマトのスライスや、きゅうりの塩づけにふりかけオリーブオイルをかけると、たちまち力のあるひと皿になる。 (昨年2019年夏の収穫分はすべて終了し、今年2020年の夏収穫したオレガノが晩秋に入荷する予定です) 野生のフェンネルシードケッパーとオレガノとともに、惹かれたのが野生のフェンネルシード だ。 その甘く、それでいて爽やかな独特の香り。 このハーブをひと振りすると、すべての料理がエキゾチックな表情に素敵に変身する。 フェンネルとはウイキョウのこと。 野菜のフェンネルとは別の品種で、花を咲かせたあとに採れる種がフェンネルシード だ。 ボノモ さんいわく、フェンネルシード は栽培したものより、野生の方が断然香りがつよいそう。 訪れた時期は、ちょうど花が咲いている時期だった。 フェンネルというと、すぐに連想するものがいくつかある。 まずはトスカーナのサラミ。よくフェンネルシードが使われている。 フェンネルシード の殺菌効果と、匂い消し効果、そして消化を助ける効果がサラミの原材料にぴったりだ。 長く愛されている味と伝統には、なるほどと思わせるもなぁ。 ペコリーノにもフェンネルシード が使われているものがあったっけ。 そして北イタリアの山のパン。 昔オーストリアだった地域でよくフェンネルシード を使った香り高いパンを食べた気がしている。 コルティーナだったか?あるいはボルツァーノかメラーノか? 酸味のある天然酵母のパンの香りにこのフェンネルシード の香りが重なると、もうたまらない。 チーズや生ハム、サラミを載せて、どんどん食べれてしまいそうな美味しさだ。 パンに合わせると、ドイツやオーストリアの文化が途端に近くなる。 そういえばピクルスにもよく使う。キャペツの塩漬けに使ってみたらなかなか好きな味になった。 クミンを使う人も多いようだけれど、たまにフェンネルシード もおすすめしたい。 好物のパレルモのイワシのパスタもパッと浮かぶ。 ただこれは、野菜の方のウイキョウのヒゲを大量に使い、イワシと干しぶどうと松の実で作るので、フェンネルシード ではなく、すぐ思い浮かぶもののはずれなのだけど。 それでもあの独特の清涼感ある香りは一緒。 カタクチイワシにたまにフェンネルをふりかけたりして、手軽にちょっと変化球が愉しむこともある。 インドで過ごした日々も浮き上がってくる。
病気の手術をしたあと、ご縁がありインドのアユールベーダの先生に1ヶ月パンチャカルマというデトックス治療でお世話になった。その先生は2名しか患者さんを取らず、朝まず脈をみて、その日の治療のメニュ−とお献立を決めてくれる。焼きたてのチャパティにフェンネルシードが使ってあることもあった(多分)。たくさんの野菜とスパイス、毎日とても美味しくて食事が楽しみだった。さまざまなスパイスが使われていたけれど、フェンネルの香りがはいると異国情緒がずいぶんと増す気がする。 日本ではよく通った東京のインドレストランで、お口の匂い消しと消化のためによくレジのところにフェンネルシードが置いてあるものも思いだす。 食後にフェンネルシード のハーブティもおすすめ。 消化を助ける効果、そして優しく甘い香り。眠る前にもよいに違いない。 フェンネルシードは沈んでくれるので、濾す必要もなく、お湯で柔らかくなったフェンネルシード を私は捨てずにおいしく食べてしまう、、。お好みの量のフェンネルシードでぜひハーブティお試しください。 北イタリアの地中海に面したリグーリアでは、カスタナッチョという栗粉のお菓子にフェンネルシード を使う伝統があるようで、秋に機会があればぜひ食してみたい。 トスカーナでローズマリーの香りのカスタナッチョを作ってもらったことはあるけれどフェンネルシード とは想像したことがなかった。 これを知ったきっかけは福岡の厳選食材のお店とマクロビ教室「Essential」の柿木シェフがインスタにアップされてらしたことから。柿木シェフには、伺うたびに美味しい智慧を授けていただいてとても感謝している。 なお地元パンテレリア 島では、豚肉にオリーブオイルと一緒にマリネしてグリルにしたり、Mustazzoli panteschi ムスタッゾリというクリスマスのお菓子に使われることが一般的だそう。 パンテレリア 島の野生フェンネルシード 、ぜひ一度お試しを! フランスに近い、イタリアの北部ピエモンテ州で週末を過ごした直後、ぐんと南へ下がり、イタリア半島のブーツの踵・プーリア州へ。 北と南の大いなる差は頭ではよく判っているものの、北の直後に南に出張したことで、何につけ、北と南の差を感じることとなりました。 北のピエモンテ。ヘーゼルナッツの木々に、連なる丘に広がるぶどう畑。眺める景色はどこも緑。 訪れた小さな町アルバは、歴史ある街並みが美しく整備され、とても清潔に維持されていて文化度が高い印象。 街の中心には車はなかなか入ってこれないようになっていて、地元の人と旅行者が半々ぐらい?みなゆったりと散歩している。カフェやエノテカが何軒か並ぶ広場では、どの店の前にもパラソルがたくさん並び、ワインやコーヒーを飲みながらゆっくり寛ぐ姿。 観光客相手のお店は日曜日でも開いていて、いまシーズンの夏の黒トリュフが並び、地元高級ワインのバローロやバルバレスコなどの有名銘柄が古いヴィンテージも取り揃えて並んでいる。小さな町ながら、メインストリートには高級ブランドのお店まであり、観光客とトリュフとワインで潤っている町なんだなぁ、という印象。(アルバで写真をほとんど撮っておらず、トリュフとワイン以外は他のピエモンテでのスナップです) その翌日に訪れたプーリアの州都バーリは、海も空もどーんと広がり、いろんなグラデーションのブルーにどこも溢れている。毎回バーリの空港に着陸少し前に窓から眺める景色は、平地に果てしなくオリーブ畑が続き、海岸線の向こう側には真っ青な海。まさにオリーブの大地だなぁ、と毎回思う。空港から街に向かうと、雑多で荒削りな印象の建物が密集する景色の上に、真っ青な空が広がっている。
バーリは旧市街以外、道幅もとても広く、歩くには一苦労。車で移動する人がほとんど。劇場や高級ホテルが並ぶ中心地の目の前の海岸で、漁師が獲ったばかりのタコを岩に打ち付け柔らかくしている様子を、何度か見たことがある。旧市街では普通の家の軒先で、マンマたちが手を器用に動かしてオレキエッテを作っているのを頻繁に見かける。これぞプーリアっていう感じ。気取りがないというか、気取った場所でも暮らしの営みが当たり前にそこにあるというか、生きる力に満ちているというか、よそ行きの顔がないというか。 南の人は働かないというのは通説ですが、私がお付き合いしている方々には当てはまらず、、。お取引しているバーリのチベリーノ一家も、内陸のグラヴィーナで搾油所を営むラグーソ家も、一家総出で本当によく働きます。どちらも80歳近い両親もまだ現役で働いているし、ラグーソにおいては大きな展示会に、まだ11歳の息子を連れてこようとしていたと知り(もちろん手伝わせるため)腰を抜かしてしまった。どうせ継ぐのならば少しでも早く仕事に慣れた方がよい、という理由から。 北にもアルトアディジェ州やフリウリ・ベネツィア・ジュリア州など、さまざまな文化圏があり、北の中でもいろいろ。南はシチリア州もあれば、カラーブリア州もある。多種多様な場所に、多種多様な人々。されどやっぱり、“北だなぁ”、“南だわー”と何につけ感じるのでした。これがイタリアの面白さなのでしょう。 ミラノの行きつけのカフェに並ぶ『キアッキェレ』 ヨーロッパはただ今、カーニバルの時期。一番有名なのは、ベニスのカーニバルでしょうか。 先週、ボローニャで日曜日を過ごしたのですが、 その時にも仮装しているたくさんの子どもたちを見かけました。 カーニバルといえば、すぐに連想するのがカーニバル菓子『Chiacchiere キァッキェレ』。 パリパリいただくごくシンプルな揚げ菓子です。この時期にどなたかの家にお邪魔すると、 このお菓子がディナーの最後に出てくることがほとんど。 少し前までは、毎回パネットーネがデザートの最後に出てくるように、、、。 1月の終わりにローマに出張に行った際、このカーニバル菓子が『Frappe フラッペ』と 呼ばれていることを知り、びっくり。 他にも、ミラノでは『Fritelle フリテッレ』と言われている揚げ菓子が、ローマでは『Castagnole カスタニョーレ』になるのでした。 下の『Roccoco ロココ』と言われるお菓子も初めて聞く名前、ローマでは愛されているお菓子のよう? ナポリまでさらに南下すると、また違うお菓子が並びます。
ナポリはコーヒーも有名ですが、フランスとスペインの占領下にあった時間も長いせいか 繊細で柔らかいお菓子が多いイメージ。パッと思いつく一番有名なお菓子は、 『Baba au Rhum ババ』や、『Sfogliatella スフォリアテッラ』などでしょうか。 イタリアに住み始めて何年も経ちますが、地方ごと、街ごとに違うお菓子やチーズを すべて把握するのは、まず無理そう。。。だからこそ、楽しくもあるわけですが。 さて我が家はというと、家の外のカーニバルムードとはまったく違い、 最近よく作るのが日本の甘酒。日本から持ってきた生麹(冷凍して保存)とお米で、 ヨーグルトメーカーを使って作ります。本当はもう少し温度を上げられたら、さらに 美味しいのでしょうが。。それでも文句は言えません。 イタリアはお米の国でもあって良かった、と常々思います。 もうすぐ桃の節句ですね。ミラノも少しずつ日が長くなって、 春の足音がすぐそこまで聞こえている気分。 下は、昨日市場に行った際、みかけた街角のお花屋さん。 『はーるよこい、はーやくこい!』 |
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