やっと納得したオリーブの実に出会い、みなさまにもうすぐご紹介が叶います! 海塩を使った塩水でたっぷり9~10ヶ月発酵させ、灰汁抜き(渋抜き)をして仕上げます。 まるで糠みそを思わせるような、心地よい乳酸菌の香りのするナチュラルなオリーブの実です。 人体に有害とされる苛性ソーダをオリーブのアク抜きに使うことは一般的ですし、 一括表示にその使用を表記する必要もありません。 苛性ソーダを使えば、簡単にすぐにアク抜きができるからです。 たっぷりと10ヶ月もの時間をかけて仕上げる、 昔ながらの自然な方法で作られるオリーブの実を探すのは、 もう至難の技になってきてしまいました。 それに加え、イタリアのオリーブの着色料使用のスキャンダルをきっかけに 生産者の方が保健所より証明書を取得してもらわなくてはならず、 またそれがお役所仕事を動かす難しさ。 イタリアでは一番難しいことの一つです。 日本の方にはきっと想像いただけないと思うのですが、、。 以前お付き合いいただいた生産者さんは、 こうした日本政府の要求する書類を揃える大変さにギブアップ。 さぁ、どうしよう、と探そうにもそもそも苛性ソーダ不使用の、 長期発酵のナチュラルオリーブを作っている生産者はごくごく僅か、という厳しい現実。 サンプルをいろいろ買ったり、これは、というところを訪ねて行ったり。 それでも納得できる品質に出会えず。 やっと前回のドイツのオーガニック展示会BIOFAChで出会ったシチリアの生産者さんの ナチュラルオリーブ(添加物、苛性ソーダ不使用)に出会えたのです! オリーブの産地はシチリア州トラパニ県、ベリチェ渓谷。
紀元前5世紀からオリーブが栽培されていた、と言われる 赤土のオリーブの大地です。無農薬で栽培しています。 一面にオリーブ畑が広がり、8kmほど離れた海岸からの海風が オリーブの健やかな生育を助けています。 Nocellara del Belice ノチェラーラ・デル・ベリチェ品種は テーブルオリーブに適した品種。 大粒で歯応えがよく、また種も簡単に外れます。 オリーブの実の収穫は、品質を守るため手動で行われます。 生産者の方はCampobello di Mazara カンポベッロ・ディ・マザラにて 3代に亘りテーブルオリーブ作りに従事し、 職人技を代々受け継いできた家族です。 ナチュラルオリーブ作りは、添加物も用いませんから、 塩度や熟成具合など経験値がとても重要。 日本向けに有機認証を取得するとなると、お互いに費用と 手間がかかりすぎるため、少しでも多くの方の手に取っていただけるよう 有機JASはあえて取得せずに輸入することにしました。 お酒のお供にそのままおつまみとして美味です! サラダに、フォカッチャに、お料理に。 薬品の匂いが気になる、オリーブの柔らかい食感が好きになれない、と よく聞きますが、ぜひそうした方に味わっていただけたらと思っています。 職人技がいきる、ナチュラルオリーブ。 ぜひお試しいただけたら嬉しいです! 下の写真は、加工場。清潔は美味しさの大切な第一歩。オリーブを発酵させている容器が並んでいます。
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写真上 塩田の様子を見守るマッシモさん 「美味しいお塩と美味しいオリーブオイルがさえあれば。」 これは尊敬する料理のプロの方がおっしゃった言葉ですが、本当にそうだなぁ、と思います。 美味しいオリーブオイルに合わせ、旨みのあるお塩をご紹介したいと長く思っていましたが、 塩の製法や職人の技などの理解が足りず、なかなか決められずにいました。 やっと出会ったSalinaro (塩職人)のマッシモさん。 天日塩の名産地シチリア州のトラパニで長い塩づくりの経験を有し、 ほぼ一人で昔ながらの完全天日塩を作っています。 トラパニはフェニキア人が塩づくりを始めた土地。 下のシチリアの地図をご覧いただくと、トラパニはシチリアの西北に位置し、 少し海に突き出た場所とわかると思います。 風の通り道で、海は浅瀬が続き、またシチリアの強い太陽が降り注ぐ場所。 まさに塩づくりに最適な場所なのです。 上記を囲んだところが、塩田が広がる場所で自然保護地区でもあります。 マッシモさんの塩田は、保護されたこれらの地域のほぼ真ん中に位置します。 経験を活かし、昔ながらの方法で今も職人の天日塩を作り続けています。 4月に塩水を塩田に引き入れます。 その塩田は"Prima Entrata =初導入"と呼ばれ、塩田の20% ほどを占めます。 塩水濃度が6-7%になったら、次の塩田に移動させ、 トラパニの風と太陽の光で塩水濃度25%ほどにします。 この段階の塩田は"Servizio=サービス"と呼ばれ、塩田の70%ほどを占めます。 最後の段階の塩田は"Cristallizzanti=結晶"と呼ばれ、10%ほどを占めます。 この最終段階の塩を収穫までに数か月かかります。 塩の収穫は8月から9月にかけて行われます。 その後、塩田の下の土が混ざらないように最新の注意を払いながら、 塩の大きな山を作り、太陽の光で乾かしていきます。 雨などを避けるように、必要に応じて瓦を乗せて守ることもあります。 そうしてじっくりと太陽と風だけで仕上げるのが 旨みや甘さも感じる、ミネラル豊富な職人の天日塩です。 私が訪れたのは、塩の収穫最終日。9月中旬でした。 写真下:塩の山の結晶を手に取らせてもらいました ではトラパニの塩で作られる塩は、全て一緒なのでしょうか? そこがいつも私もわからなかったところ。 味をみても、やはり少しずつ味わいが違います。 マッシモさんのところを訪ねた時、遠くに見えた大手の塩の会社は とても大きなトラクターショベルで塩田にて塩の収穫を行っていました。 そうすると、どうしても大雑把になって土の部分も 取り込んでしまう可能性もあるそうです。 また全てが天日干しで作られるわけでなく、 効率を優先して、オーブンで乾燥するケースも多いそうです。 それでは、せっかくの海の風味や養分も飛んでしまいます。 マッシモさんはコロナ前までは、塩の収穫には100%シャベルで掬って収穫していました。 体をフルに使って収穫した塩を、コンベアーで塩田の外に運び、 塩の山を作っていました。 コロナ禍には誰にも収穫を手伝ってもらえることもできず、 働きすぎて身体の限界に直面。 悩んだ末、シャベル掬いに加えて小さなコンベアーを購入。 シャベルと小型トラクターを組み合わせて収穫をすることで、 今までと同じように品質を確保しながら、 本当にほぼ一人で対応できるようにしました。 国のお役人が監査に来たとき「これだけの仕事を一人でできるはずがないはずだ」と 言われた、でも一人でするしかないんだよね、と笑っていました。 昔ながらの塩づくりは、経験値はもちろんのこと、 それに加えて酷暑の中での大変な体力仕事。 きつい仕事ではありますが「塩づくりが大好きなんだ」と さらりと私に伝えてくれたマッシモさん。 一人で朝早くから夜遅くまで塩づくりに励んでいます。 マッシモさんの塩づくりへの情熱が伝わるのか、 彼の顧客には丁寧なものづくりを愛する有機の生産者の方々が多いようです。 事務仕事をバックアップするのは、奥さんのアルベルタさん。 彼女の優しい笑顔を見ていると、気持ちを温かく包み込まれるよう。 優しさあふれる、素敵なご夫婦。お嬢さんは今から北イタリアのホテルで働く、と。 シチリアでは仕事を見つけることができなかったそうなのです。寂しくなりますね。 写真下:トラパニ名物、クスクス・トラパネージのランチに連れて行ってくれました。 マッシモさんが作る天日塩は、オーブンで乾燥させたり、濾過したり、精製させた塩とは違い、
太陽の光と風だけで乾燥させているため、湿気で固まったり、海藻などのカケラなどが 入っていることもあります。固まったら手でほぐしてお使いください。 細粒は調理の味付け、サラダ、お皿でのひと 振りなどに使える万能タイプ。 粗塩はパスタ を茹でる際、またお肉・お魚のグリルやフォ カッチャなどの味のアクセントに。 まろやかな 塩の旨味が、お料理をワンランクアップさせて くれます。 風、太陽、海からの恵みの天日塩、ぜひお試しいただけたら嬉しいです! 下の写真:海藻に含まれるカルチノイドでピンク色に染まる塩田。この成分を食べてピンク色に染まるフラミンゴの姿も翌朝に見ることができました! |
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