今朝、カペッツァーナのオーナーであるボナコッシ伯爵家の末っ子・農学博士のフィリッポ(上の写真。ボナコッシ家の兄弟姉妹、それにしてもみな本当に良く似ている)から今年のオリーブオイルについて素晴らしいニュースがあったと連絡がはいりました。 パネルテストといって、プロの方々、カペッツァーナの内部の人間が一堂に会して今年のオリーブオイルの評価をするのですが、そこで酸度やポリフェノール値も発表になり、酸度については、今まで聞いたこともない、酸度0.05!を記録したというのです。そしてポリフェノール値は280! 私はもちろんですが、フィリッポ本人もこんなに低い酸度は、今まで聞いたことがないとのこと。 とても喜んで報告してきてくれました。 ポリフェノール値も200ぐらいが一般的でしょうから、280というのは秀逸!抗酸化作用に富む=アンチエージングや抗がん作用が高いということになります。 今年のオリオヌオヴォは、例年より少し柔らかい感じのデリケートな出来(フレンチ系のシェフから日本でも絶賛していただきました)だと思っていたので、さらに驚きました。 写真下は昨年の写真。右:オリオヌオヴォ、真ん中:粗いフィルターをかけた1年前のオイル、左:ノンフィルターの1年前のオイル。一緒にテイスティングしてみると、1年もたす場合には粗いフィルターをかけた方が品質に優れていることが明確になりました。そのため、昨年から船便分は、粗いフィルターでお届けしています。 昨日のパネルによるテイスティングでは、トスカーナのオリーブオイルの権威のひとり、ダメリー二氏と、アグロモノ(農学者)のベコンチー二氏も出席。いつものアーティチョークの風味に、青リンゴやアーモンドの加わって余韻もエレガント、と両者から高い評価とお褒めの言葉をもらったようです。 収穫が始まったばかりのときのサンプルを日本にそのまま置いてきたので、あれから1ヶ月、その後の収穫やデキャンティングして今どんな風味か、、、ううう、、楽しみでなりません。 ただいま通関中、なんとか早く倉庫に入れて、出荷準備を整えたいと思います。今しばらくお待ちいただけますように、、。 トスカーナからオリオヌオヴォが届いたら、まずこんな風にお豆料理がよいなぁ、と思っています。
写真は、昨年の収穫のはじめにいただいた、ひよこ豆とオリオヌオヴォ、お塩とこしょうのみ。 これほどの相性ってあるかしら。やっぱり、シンプルに勝るものなし、ですね。 さて人付き合いについて。アメリカなどでは知り合った瞬間から親しく名前を呼び合うこともあるようですが、これと少々違うのがヨーロッパ。とくにボナコッシ家のような貴族の方々とは、年数を重ねていくことが、財産なのだな、と感じる次第。付き合いも、早15年となろうとする今、こんなに嬉しいニュースがあると嬉々として連絡をくれるようになりましたが、始めの頃はこわーい人かしら(まぁ、感じが悪いともいう)と思うほど。この表面的でないことが、ゆっくりとお互いを理解しあうようになると、かえって深い信頼関係を築けるのだな、と感じています。これも時間がかかったけれど、彼らがくださった学びなり。 ボナコッシ家そしてカペッツァーナに働く人々全員に、こんな素晴らしいオリーブオイルを、たくさんの苦労をしながらも自然を大切にしながら作っていることに、心からの感謝と敬意を捧げます。
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