9月も後半になり、ハラハラはますばかり。なぜなら、オリーブの収穫量がどのくらいになりそうか、この時期の雨などの気候条件で変わってくるから。
シチリアのザハラはすべて順調なようで、10月の第一週か第二週にはしぼり始められそうと、先週連絡があった。ほーーーっ。 トスカーナのカペッツァーナは、日々連絡しているものの、“まだ判らない、まだ判らない”。今週こそ、と今は月曜日の朝。早速連絡をしたが、まだ返事はなし。カペッツァーナのオリオ・ヌオヴォを紹介し始めて、もう10年以上が経つ。毎回、あのグリーンのフレッシュな旬の味を楽しみにしてくださるお客様に、なんとかしてお届けしたい(祈)。オリーブミバエ、ひょう被害、酷暑など、オリーブに何重もの苦難が訪れた三年前は、カペッツァーナは“搾らない”という大きな決断をした。つまりオリーブ搾油量がゼロ。9月の早い時期、カペッツァーナのオーナーであるボナコッシ伯爵家のフィリッポ(農学博士)が、何度か試しにオリーブを搾った後の苦渋の決断だった。とてもカペッツアーナを冠したオリーブオイルの質にならないと。なんと100年間で初めての出来事だった。フィリッポの姉で、マーケティングを担当するベアトリーチェは、畑で泣き崩れたと言っていた。・・・判る(涙)。 辛い決断ではあるが、“あぁ、この人たちと仕事ができて誇らしい”と思えた瞬間でもあった。なんと誠実な仕事振りであろうか。オリーブの実も自分たちの畑(元領地)のものしか使わないのだから。オリーブの実を他から仕入れるという選択が、まったくない仕事への真摯な姿勢に、心から敬服した。 オリーブオイルは、常にスキャンダルがつきものだ。例えばオリーブオイルのイタリアの生産量と、イタリアの販売量が合わない。つまり、ギリシャ産やアフリカ産のオリーブオイルを混ぜてしまい、嵩を増す。あるいは、安い他国のオリーブオイルをそのまま詰めて“Made in Italy 100%”のシールを貼ってしまうなど、誰も驚く話しではない。つまり海千山千が横行する世界なのだ、残念ながら。 それだけに、どれだけ誠実な生産者とつき合えるかがとても重要になる。どのような畑でどのくらいの広さか、今年の収穫年のオリーブの実はどんな状態か、搾油所の衛生状態はどうか、どの機械でどう搾っているかなど、すべて把握しておかないと怖くて付き合えない、ということだ。 あぁ、そろそろ電話がかかってこないかしら。。。
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