ミラノから日帰りでパルマに行ってきました。目的は、CIBUSに出展している生産者の方々とミーティングするため。また日本から大切なお客様もいらしていて、一緒に回らせてもいただきました。 シチリアに行かなくとも、プーリアやバジリカータ行かなくとも、1日に何件かのミーティングができてしまう展示会は、とても有難い機会。大切な仕事のパートナーであるから、できるだけ顔を合わせる努力はしているのですが、そう頻繁に飛行機にも乗れないですし。 毎日のように電話している相手でも、不思議なもので、会うと必ず新しい情報があったり、こちらから相談することがあったり。これは100%、必ずそうなのです。顔を合わせるって、本当につくづく大切なことなのだなぁ、と実感します。 CIBUSに初めて来たのは、まだイタリアに住む前、日本から出張で訪れたので12年ほど前?でしょうか。オリーブオイルの輸入がメインの頃で、その他の食材はほんの少しだけ取り扱っていました。毎年来るたびに、会場が洗練されていき、また来場者も多くなっているように感じられました。初めて来た時は、ほとんど体育館のような場所に会議室テーブル、というような展示も少なからずでした。ところが今は下の写真のように、様々に工夫を凝らした出展者も多く、会場もブースもどんどん広くなり、体験型になっているようです。 今取り扱っている品々(=惚れ込んでいる品々)を、丁寧に長く販売していきたいと思っていますが、展示会においては新商品を念頭にアンテナを貼りつつ、膨大な情報に接することになります。「あ、これならば、うちのお客様に喜んでいただけるかな?」、「このパッケージ素敵だなぁ」。いろいろ素敵なものに目が行きますが、じゃあ輸入したいかというと何かが違う。 自分たちの芯というか、原点である「どうしてもこれをご紹介したい!!!」と強く突き動かされるような熱い気持ち。多くの情報に触れれば触れるほど、その気持ちをしっかり頑なに守らなければならないのだな、と改めて思うのでした。まるで神様からのご縁を待つ、恋愛話のようですが。 そんなこんなで、私たちの品々はなかなか簡単に増えそうにありません、、、。今でも、信頼できる生産者の方々とお付き合いさせていただきながらも、各生産者より、1〜3商品のみというケースも多く、効率は極めて悪い、、、。ですが、ごく小さい組織の私達だからこそできる、我儘なのかもしれません。生産者には、理解をしていただきつつも申し訳なく思っていますが。 CRAFT FOODS 丁寧に手間をかけた品々。私たちが大切にしたい品々。日本に紹介させていただいている品を、もっと知っていただき、手にとっていただけるよう、努めたいと思います。 下は、お世話になっている何人かの生産者の方をご紹介。
写真は、フラントイオ・ラグーソの皆さん。フラントイオとは搾油所の意。プーリア州のオリーブオイルは、苦い、強いと信じ込んでいた私のイメージを、見事に変えてくれたラグーソ。プーリアの地元品種がこれほどまでにバラエティに富んでいると、彼らのおかげで学びました。有機オリーブ農家であり、搾油所を代々営むラグーソ一家。昨年は彼らとのミーティングに、毎月1回はプーリアに行っていたかも。毎日のように連絡を取り合って、仕事をしています。
我々のオリジナルブランドである「Raguso for La Cucinetta 」をはじめ、プロ用(業務用)有機5L缶、シェフのオリジナルオリーブオイル、顧客リクエストの特別仕様オリーブオイル、今までにないフレーバーオイルなどなど、、、こちらから持ち込んだ難問を「面白い!」と言ってくれ、いつも一緒に考えてくれるラグーソ。ただ、ここまで関係を築くのに、いろんな意味で困難続出で、お互いに随分と辛抱し合いあったと思います、、本当に。こちらだけでなく、向こうも。これからも、お互いによくなっていけるように、切磋琢磨していきたい大切なパートナーです。
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先週末は、フィレンツェの食の展示会Tasteへ。ほぼ毎年足を運んでいますが、新しい品にアンテナを立ててみるだけでなく、お付き合いしている生産者の方々と顔を合わせてアップデートする大切な機会でもあるのです。 長いお付き合いながら、普段はなかなか会えない生産者、マッセリア・ミロガッロのジェナーロさんとも会えました。「誠実」といえば、この人をすぐ思い出すぐらい真摯な仕事ぶり。カーサ・モリミ自慢のカルチョーフィ(アーティチョーク)はジェナーロの家族が育てる畑から。3月の収穫初めの2週間の大粒のカルチョーフィのみ。朝6時から収穫され午前中のうちに、同じ敷地の加工場にて手作業で瓶詰めにされます。瓶詰めに使うオリーブオイルも自家製の逸品、しかもアーティチョークの隣の畑から。彼らと協働できることは、私たちの誇りです! そして今回は、素晴らしいバルサミコやモスト・ドゥーヴァ(収獲したぶどうを皮ごと煮たジュース)の生産者Guerzoni グエルゾーニも出展。バルサミコの本場モデナ地方にて30年以上も前からバイオダイナミック農法(究極の有機農法と言われている)を実践。栽培した自家栽培のブドウで、じっくり時間をかけて、まろやかなお酢に仕上げています。生産者のロレンツォと奥さんのフェデリカ。貴重なコラボレーション、いつも本当に有り難う!
そのこの週末、『イタリアのおへそ』ウンブリアに行ってきました。 もう10年近いお付き合いになる、パスタ生産者マシャレッリが創業150周年にあたる今年、 ウンブリアのフォリーニョという街で毎年開催される『i primi di Italia イ・プリミ・ディタリア』にて その功績と歴史を表彰されることになり、その表彰式にご招待いただいたのでした。 私たちがお付き合いさせていただいている生産者の方々は、家族経営の方がほとんど。 マシャレッリも例にもれず、家族総出で何でもこなしながらパスティフィーチョ(パスタ工房)を 営んでいます。本当に感心するほど、家族全員、とてもよく働きます。 (イタリア人は働かないと思う方も多いでしょうが、よく働く人々も いるのです。田舎のトラットリアなどに行くと、たくさんのテーブルを たった二人で担当、テキパキと目が回るほどによーく働く人をたまにみかけます、、、) 働きものの嫁のキアラ、5代目アゴスティーノ、 寡黙で働きものの4代目のオラツィオ(ついパパ!と呼んでしまう)、 そしてしっかりすべてを見守るマンマ。 下の表彰式当日の写真は、6代目のイレーネとラケーレとともに。 イタリアで職人のパスタ工房として、150年続いているところ、 また5代に亘り、すべて同じ家、同じの血で受継がれているところは 他にないそうです。パスタメーカーとしては一社より古いところが あるようですが、職人レベルでは、マシャレッリが一番歴史があるそうなのです。 その功績を讃える受賞が決定、さぁ、これはお家の一大事。 すぐに私にも連絡があり、重要な祝賀の席なので、ぜひ出席してほしい、と。 日々頻繁に連絡をしていても、顔を合せられるのは、年に一度あるかないか。 こんな重要な機会を逃してなるものか、と二つ返事で快諾し、 いそいそとウンブリアはフォリーニョまで出かけて行ったのでした。 イタリアでは、仕事とはいえ、人と人としての関係を大切にします。 なので、家族全員の名前はもちろん、おじさん、おばさん、おじいちゃん、 おばあちゃん、いとこ達の名前まで、覚えることも。 (覚えきれないから携帯にすぐメモ) こうした家族付き合いは、とても素敵だけれども、 それだけでなく、、、覚悟も要ります。 今年の春には、南イタリア・プーリア州の生産者のお子さんの洗礼式の祝賀に お呼ばれし、11時から21時までの長い長い長いランチを大家族のご親族と ともにした記憶に新しく、、、。とっても光栄、ただ体力と強い胃袋も不可欠。 それでも、家族のように受け容れてくださるその気持ちが何よりも嬉しいし、 あぁ、この人たちが守っている素晴らしい仕事、その価値を 仲間として多くの人に知っていただきたい!と毎回改めて思うのでした。 さて話は今回のウンブリアに戻りますが、マシャレッリのホームタウンである アブルッツォ州のプラトラ・ペリーニャから授賞式出席のためにいらしたご一行様は なんと40名!バスをチャーターしてのウンブリア入。18時の記念式典、レセプション、 そして21時の表彰式が終るとみなさんバスに乗って、3時間かけて またプラトラ・ペリーニャへ戻っていかれました。 もし表彰式(イタリア料理の巨匠ヴィッサー二氏も舞台に登場)の後、 祝賀会があろうものならば、私は間違いなく次の日は1日寝込んでいたでしょう。 さぁ、まだ記憶がある今のうちに大家族の名前、誰が誰だったかメモをしておかねば! それにしてもフォリーニョは驚くほど、美しい街でした。一番下に数枚写真を。 予期しない美しい街の発見に、イタリアの底力を感じた出張でもありました。 |
Casa Morimi
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