まだ陽射しは強いものの、風は肌に少しひんやり心地よい。 がらんとした、誰もいないミラノの8月が終ってしまい、今週からオフィスも店もまた再び開き始め、普段のミラノの顔が戻ってきた。 人っ子一人歩いていない、まるで世界から見捨てられてしまったような夏のミラノ。 日が暮れて涼しくなった頃、車が走っていない道の真ん中を、自転車のペダルを思いっきり踏んで、風を切る気持ちよさとも、また1年ほどさようなら。 夏の終わりはなんだか切ないものだけれど、先日、心がパッと晴れた。市場が戻ってきたのを見つけたときだ。 自分でも思いがけないぐらい、いつもの広場で市が立っているのをみるのが嬉しかった。 夏の間、暑さで料理も億劫になり、でも美味しいものは食べたくて(どんなときでも)なんどか作ったパスタがある。 Buccatini alle acciughe アンチョビのブカティーニ(と命名してみた) ニンニクとアンチョビのみじん切りを、オリーブオイルとともにフライパンでよく熱し、(写真は残っていたトマトを一緒に入れた)茹で上がったブカティーニをそこに入れて、コラトゥーラを少しだけくるりとかける。盛りつけたら、刻んだイタリアンパセリ。 このパスタの主役は、なんといっても太めのどん、としたパスタ、ブカティーニ。
ブカティーニはパスタの中に細い穴が空いている太めのパスタ。モチモチっとした食感にアンチョビの風味がたまらない。以前、イタリアの魚醤・コラトゥーラの本場チェターラを訪ねたことがある。そこで味わった名物パスタは、なんと何も具が入っておらず、太めのスパゲットーニにコラトゥーラをかけただけ。色もないそっけなさに驚いたが、そのシンプルな美味しさは素晴らしかった。 カーサ・モリミが紹介しているマシャレッリ(Pastificio Masciarelli) のパスタは、こうしたモチモチ系、冷めても美味しいのが自慢。ぜひ、コクのある味わいでお試しいただけたら嬉しい。なお、コラトゥーラ(魚醤)は掛けすぎるとしょっぱいから注意。
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