写真はBeppino OccelliのHPより 謎が溶けた。以前からイタリアにどうして美味しいバターが少ないのか?と常々疑問に思っていました。
酪農王国フランスにイタリアも決して負けていないはず。ただいざバターとなると、とんと弱い。 パリに行く毎に、美味しいブルターニュのバターを買ってかえる私。なぜ、こうなってしまうのかしら?、と。 今週、以前から気になっているパネットーネの生産者さんと商談の機会がありました。 素材に徹底的にこだわるこの生産者、パネットーネの重要な素材であるバターは、すべてフランスから仕入れているとのこと。どうして??その疑問に対し、彼の説明は以下の通り。 イタリアはチーズ文化で、パルミジャーノやグラノパダーノチーズをまず作り、チーズ作りに残った乳脂肪分でAffioramento という方法で牛乳を分離させるような方法でバターを作る。一方、フランスはまず生乳からバターを作り、その後チーズ作り。その製法は、遠心分離法で、生乳を昔ながらの方法でグルグルグルグルしてバターに仕上げる。イタリアで数少ない遠心分離の方法でチーズを作っている方が、有名なBeppino Orcelliさん。(上の写真は彼のHPより) 遠心分離で作ったバターは溶点も低いらしく、風味だけでなくパネットーネの口溶けにもフランスバターを使うことが重要、と。なるほど、、、。バター文化の北イタリア、オリーブオイル文化の中央から南イタリア。その北イタリアのバター文化圏が、まさかフランスのそれと違うとは想像もせず。 昨年、日本の志の高い生産者の方、流通の方々を、エミリア・ロマーニャの有機パルミジャーノ工房にご案内したことがあった。そのときに聞いた話で驚いたのが、第二次世界大戦前まではモデナの白牛の生乳でパルミジャーノ作りをしていたが、アメリカ人がホルスタインを導入し、モデナの白牛が激減。モデナの白牛の生乳は品質が素晴らしく、素晴らしいチーズができるが、搾乳量が著しくホルスタインに劣るために、ほとんどホルスタインに入れ替わってしまった。今や、ごく僅かな人しかモデナの白牛でのチーズを作らなくなってしまった、と。 効率を追わずに品質を守る志ある人々の品を、購入して支持することで、食文化を守られるのだなぁ、と考えるのでした。私たちカーサ・モリミがご紹介している品々も、“添加物を使用しない=(膨大な)手間と時間がかかる”ものばかり。お付き合いさせていただいている生産者さんたちの素晴らしい仕事を、実際に購入することで支えることに貢献できたら、と願っています。それにはまだまだ力不足ですが、その夢は諦めずに、やっぱりこれからも掲げていきたい。先人の智慧、手間ひまかけた素晴らしい食文化が、ちゃんと次世代に受継がれていくように、、、。
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