シチリアに大切な友人たちがいます。ロベルタとアントニオ。もうかれこれ、10年近くになるお付き合い。 シチリアはドンナルカータという海沿いの小さな町で,“CONSIGLIO DI SICILIA コンシリオ・ディ・シチリア”という魚料理がとてもおいしいレストランを営んでいます。 アントニオはこの町で生まれ育ち、レストランはもともとはおばあさんの家。 一方、年上女房のロベルタはフランス国境近くで生まれたマンマ、ベネツィア出身の父親という両親の下で育ち、その後ニューヨーク、パリ、ローマと暮らしたコスモポリタン。著名なフードジャーナリストでもあり、最近は小説も書くマルチな女性。この世界をまたにかけて活躍するロベルタがまさか、シチリアの、それも小さな町で活躍するシェフと結婚するなんて!友人たちは大騒ぎ。もちろん感嘆の気持ちを込めてですが。 ロベルタと私の出会いは、ロベルタがミラノに来る度に催される、仲間うちの気軽な夕食会。 彼女の前向きでオープンな性格、皮肉なツイストがある知的なユーモアなどの独特な魅力に惹かれ、何度も会ううちにすこしずつ友情を深めていきました。 アントニオは日本の食文化にとても興味を持っていて、日本から彼にゆずを持ちかえって送ったり、和の食材について質問に答えたりと、食の情熱をわかちあう仲間となりました。とてもシャイなので、ロベルタなしで二人であれやこれや喋るようになったのは、つい最近。いまやシチリアの食のことをはじめ、何かあると気軽に相談できる仲となりました。 彼らの町のすぐ近くで栽培されている、ゴールデンイエローのダッテリーニトマト。使い方のアドバイス乞う相手にすぐアントニオが浮かびました。NHKより取材していただけることになったので、信頼できる彼が近くにいてくれたのは、本当に幸運でした。シチリアも広いというのに、ラッキーでした。 シチリアはコロナウイルスに関し、北に比べて落ち着いていましたが、そうは言ってもロックダウンはイタリア全土で。レストランを持つ身で、どんなに大変な時期を過ごしたのだろうか、と心配して電話したら、良い意味て拍子抜け。閉めていた時期はいずれにしてもオフシーズンだし、その間、いろいろと準備することもあったし、Fantasia妄想も膨らませた。しかも今は大いそがし!新しいスタッフを雇い入れたほどよ〜、と電話越しにいつもの明るい調子のロベルタ。あぁ、よかった! シチリアのラグーサ方面にいらっしゃる際には、ぜひぜひロベルタとアントニオのレストランに足をお運びください!おいしいシチリアの海の幸、アントニオの絶品カンノーリをぜひ味わっていただきたいです。 Consiglio di Sicilia Via Casmene, 79, 97018 Donnalucata, Scicli RG 340 944 8923 [email protected] NHKの取材のときに、アントニオに教えてもらったレシピを遅ばせながらご紹介させていただきます。 まずは、ダッテリーニのイエロートマトソースから。 Spada alla matalotaLinguine “Sole e mare”
太陽と海のリングイネ 海はムール貝、太陽はゴールデンイエローのダッテリーニ 材料 2人分: リングイネ150g 殻付きムール貝500g シチリア産カラフルトマト(ダッテリーニ) ゴールデンイエロー 190g 1瓶 にんにく2片 バジリコの葉 7枚 ローリエ1枚 良質のオリーブオイル(できればトンダイブレアのオリーブオイル=ザハラ ) 塩 (お好みで)生の唐辛子 白ワイン 1/2カップ 作り方: 1. フライパンにオリーブオイルを敷き、にんにく1片(切らずにそのまま)と好みで唐辛子を入れて香りをだす。 2. 1.にゴールデンイエローのトマトソースを加える。ローリエ、バジリコ5枚を加え、4〜5分温める。 3. ムール貝を準備。鍋に大さじ2のオリーブオイルを温め、1片のにんにくを入れる。 4. ムール貝を殻ごと入れて、白ワインを入れる。中火で蓋をしてムール貝が開くまで3分ほど調理する。 5.殻が開いたら火からおろし、殻から外したムール貝をボール入れておく。 6.鍋に3リットルの水を入れ、塩を少し。沸騰したらパスタを入れ、調理時間の半分ほどを目安に茹でる。 7.ボンゴレを調理した際と殻から外した際の出汁を漉しておいておく。 8.茹で汁2杯ほどとともに、半茹でにしたリングイネを引き上げ、フライパンにムール貝の実、ムール貝の出汁、リングイネを合わせてフライパンに入れる。中火でアルデンテになるまで火を入れる。 9. お皿にダッテリーニのゴールデンイエローソースを敷き、リングイネを巣のようにのせて、バジルの葉かざりとオリーブオイルをかける。 Spada alla Matalota カジキマグロのマタロータ “マタロータ"とはシチリアをノルマン人が統治していたころの名残の、シチリア漁師の間に伝わる料理。フランス語でmatelotとは船乗りの意。どの文化でも漁師の料理とくれば、簡単なレシピですが、重要になるのは素材の良さ。 材料 2人分: カジキマグロ 2切(250 g ) 塩 唐辛子(好みで) にんにく一片 良質のオリーブオイル(できればトンダイブレアのオリーブオイル=ザハラ ) シチリア産カラフルトマト(ダッテリーニ) ゴールデンイエロー 茹でたじゃがいも 100g ( サイコロに切っておく) ローズマリー 1枝 塩漬けケッパー 適宜 白ワイン 1/2カップ 沸騰したお湯 おたま1杯分 バジルの葉 作り方: 1. フライパンにオリーブオイルを敷き、にんにく1片(切らずにそのまま)と好みで唐辛子を入れて香りをだす。 2. 1.にゴールデンイエローのトマトソースを加える。ローリエ、バジリコ5枚を加え、4〜5分温めて置いておく。 3.蓋つきのフライパンに、大さじ2のオリーブオイルを入れ、にんにく1片とローズマリーを1枝入れ中火に。 4.パチパチと音がして良い香りがしてきたら、カジキマグロを入れ、1分ほど焼いてから取り出す。 5.そこに白ワインを加え、茹でたじゃがいも、2のトマトソース、塩漬けケッパー、沸騰したお湯を加えて蓋をし、4分ほど煮詰める。 6.お皿にカジキマグロを載せて、5のソースをたっぷりかけ、バジルの葉を飾り、オリーブオイルを回しかける。
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