18年前の11月、たまたまオリーブの収穫の時期に訪れたカペッツァーナ 。
その時このテラコッタの甕に入っていたオリーブのジュースの味に 取り憑かれたようになり、食材屋のちいさな一歩が始まりました。 そんな経緯から、テラコッタの甕には 美しさに惹かれるだけでなく、個人的な想いもあります。 100年以上の古いものもあるこの伝統的な甕に 搾ったばかりのオリオ・ヌオヴォ(新オイル)が入っている様子は なんど見ても胸が高まります。 昨年、日本向けのオリーブオイルはテラコッタの甕から ステンレス製のるコンテナーに変更となりました。 真空にでき空気に触れる量が減るので、酸化しにくくなり 当然品質はさらによくなります。 かなりのコストをかけての品質に対する心意気なので、 本当にありがたいことなのですが、ちょっと複雑でもあります、、。 素晴らしい味わいに心底惚れ込んでの輸入でしたが、 それと同じほど、トスカーナのオリーブオイル文化にも 惹かれていたのだな、と。 この古い甕から注がれるロマンのようなもの、、。 それも含めて、カペッツァーナがとても好きなのだな、と。 そんな想いを巡らせている折、 カペッツァーナ の搾油所を初めて訪れたときに聞いた ボナコッシ伯爵の言葉をふと思い出しました。 “(オリーブオイルについて)伝統的な手法という言葉は、 耳にはあたりが良いけれど、舌には決して喜ぶべきことではない。 品質向上のためには、常に技術革新に取り組むべきだ。” 搾油所の機械のことばかりだと思っていましたが、 オリーブオイルに関わるすべてに当てはまっていることに いま気づいた次第です。 愛するテラコッタの甕の風景はずっと残っていてほしいですが、 数年前に亡くなったボナコッシ伯爵の言葉どおり、 新調した最先端のステンレンスコンテナーによく感謝し、 今年もお世話になろうと思います、、。
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