イタリアに拠点を移し、早いもので9回目のクリスマスとなりました。
(本当にそんなに経つかしら、と何度も数えてしまいました、、) 外国人のひとり暮らしである私を案じて、いろんなご家族の方が一緒に、と 声をかけてくださり、これまでさまざまなお宅のクリスマスにお世話になってきました。 最初の数年は、食科学大学に留学していた際のルームメート・アレッサンドラの実家にて。 ミラノから30分ほど車でTreviglioのお家には、お父様の5人兄弟がそれぞれ 家族を連れて集まり、総勢30名ほどの会。 大人席でだいたい15名ぐらい。そして私も配属された若者席は、 私を入れてやはり15名ぐらい。ときにガールフレンドあるいは ボーイフレンドも参加で、20名ぐらいになったときも。 90歳近くになるおばあさまたち二人が、大切にされていてテーブルの上座に。 ふたりとも健在、背筋がピンと伸びていてとてもエレガント。 ディナーの終わりには、若者主催の音楽とともに詩を読む会や、ジャズのコンサートに なったり、さながらミニシアター。イタリアの北らしい、寛大な知的家族という感じの 素敵なクリスマスでした。 食事も2日がかりで、若者従姉グループの有志が仕度し、これも毎回とても楽しみでした。 雄鶏肉を詰めた卵生地の小さなラビオリや、牛肉に赤ワイン煮など、時間をたっぷり かけた甲斐あって素晴らしい味でした。 その後は、ヴェローナの母と慕っている方のお宅のクリスマスを過ごしたことも。 このときはボッリートがメインディッシュ。お肉のいろんな部位をコンソメで煮込んだボッリート。 冬のご馳走です。 その後はミラノの友人宅で、ハンガリアン・クリスマス。なぜならば奥様がハンガリー出身だから。 仔牛肉を煮込んだお料理が、それは味わい深く。お料理を頂くだけで、遠い東の国の景色が 浮かんでくるようでした。 そして今日は初めてのトスカーナでのクリスマス。 25年来の大親友のアンナの家族とともに過ごすクリスマスです。 アンナのお姉さんご家族とも、もう20年来のおつきあい。 ヨチヨチ歩きだった甥と姪も、それぞれパートナーを連れてのイブの夜。 おばさんも年を取るはずです。 フィレンツェからフィエゾーレの丘を通り過ぎ、さらに30分ほど山へ。 ミュジェッロという田舎にあるアンナのお姉さんの家は、私の夢の家。 広い庭に囲まれた大自然の中にあるお家。 春は広い庭にたくさんの種類のお花が咲き、夏は葡萄棚の下にあるテラスで食事、 秋は美しい色に染まり、冬は暖炉を囲んでのひととき。 昔ながらのしっかりとした作りの石の家で、心からくつろげる場所です。 フィレンツェで働く甥のフランチェスコが私もピックアップしてくれて、 今から山へ向かいます。 アンナはロシア風サラダを作ると言っていました。イースターは何度かお世話に なっているものの、クリスマスは初めてのトスカーナクリスマス。さてどんなメニューかな。 みなさまにも素敵なクリスマスを! Buon Natale!!
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近所のガストロノミア(食材、総菜店)に、『今日の料理は、カッソーラ』の看板。
あぁ、冬真っ盛りなんだなぁ、と実感。 カッソーラは、20世紀の始めに定着したミラノの農民料理。(イタリアのWikipediaより) もともと、豚の屠殺シーズンの終わりを象徴する、1月17日の聖アントニオ・アバーテの日に 冬野菜のちりめんキャベツの風味づけに、豚の一番安い部位と合わせていたとのこと。 数世紀溯って、数種類のお肉とキャベツを合わせていたバロッコ料理が単純化されたものだという説も。 ミラノ料理だと、リゾットミラネーゼや、オッソブーコ、コトレッタ・ミラネーゼが有名ですが、 どれもどちらかというと、原材料に高価な素材サフランや仔牛を使った贅沢料理。 庶民が食べるお料理とは言い難いですね。 なお本当のコトレッタ・ミラネーゼは油で揚げないと知りびっくりしました、バターで揚げるそうです。 たしかにこれでは庶民にはとても手が届きませんね、、。 同じイタリアといえども、地中海ダイエット(野菜、果実、豆、小麦、オリーブオイルなど)の南イタリアと、 酪農文化の北イタリア(バター、肉、米、トウモロコシ粉など)で随分違う食文化だなぁとつくづく感じます。 カッソーラの画像はこんな感じです。 この総菜店には、Passatelli パッサテッリも売られていました。 これはエミリア地方からマルケ州にかけて冬に食される、コンソメの中に入れるパスタ。 イタリアの楽しいところは、季節ごと、地方ごとに、こうしたお料理が わんさかあるところ。数えたら、そろそろイタリア生活が丸8年になろうとしています。 8年とはいえ、まだとてもとても、知らないことばかり。 美味しいパッサテッリ、一度本場で食べてみないなぁ〜。 |
Casa Morimi
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