10月20日、カペッツァーナ農園に収穫の様子を見に行っていた際に
思い切り転び、松葉杖生活に突入して早くもそろそろ2週間。 その間、数多くの方に助けていただきながら、 ここまでなんとか無事に過ごしてこれました。 上の写真は、年上の友人が差し入れてくださった昨日の夕食。 「ロックダウンになったら、もう来れなくなると思ってね!」と ガラスの重いタッパーケースに、まだ温かいお料理を入れて 突然ブザーを鳴らして、100段をはぁはぁ言いながら登ってきてくださった。 (わたしの家はエレベーターなしの5階なのです) 前回、週末に彼女が来てくださった時は、昼ごはんでだけでなく、夜ご飯まで つくって持参くださった。大きなバナナケーキまで焼いて。 それらを見た時、彼女の想像をはるかに超える大きな優しさに 真剣に泣きそうになったのでした。 自らが捻挫を経験した彼女は、我が家を松葉杖仕様に大改造してくれました。 ベッドの寝具を居間のソファーに移し、 携帯やPCの充電コードもすべてソファーの横に結集させてくれ、 「これでお手洗いにも近いからあまり歩かなくて良いし、 ずっと導線が短くなるわ」と。 私はただただテキパキとした彼女の動きに見惚れるだけ。 もう脱帽、のひとこと。 その日は食事も片付けてくださり、なんと部屋の掃除までしてくれた上、 「あなた、おつかれになったでしょう?おやすみになったら?」と おっしゃり、その大いなる存在に心から安堵したのか、 なんと私は本当にふうっ、と寝てしまったのでした、、小一時間ほど。 彼女が設えてくれた新しいソファーのベッドで、信じられないことに。 彼女がおかえりになった後も、作り置いてくださった美味しいお食事を 温めていただく度に、彼女の優しさが伝わってきて、 “料理は愛情だ” と心底実感したのでした。 ひとりでいただくお食事も、だれかの愛情や友情を感じながらいただくと、 それはとても豊かな食卓での時間だな、とつくづく感じました。 ひと口ずつ大切に味わいながら、、。 また心に浮き上がったことのもうひとつ。それは、 “彼女が私にしてくださったような親切を 私は誰かに対してあのように軽やかにできるだろうか?” ということ。 優しさの大きさ、相手の気持ちになれる想像力、 人ごとを自分ごとにできる人間の器などなど、 わたしにはまだまだ自信がないというのが正直なところ。 良いお手本に出会えました。少しでも目標にしてきたい、、。 松葉杖生活は、思わぬ学びを私にもたらしてくれました。 そしていかに友人に恵まれて過ごさせていただいているか、も。 今朝はイタリア人の友人が薬局でいろいろ調達してきてくれ、 前日は日本人の友人が、車でそちらに行くようがあるから、と 山のように買い物してきてくれました。 みなロックダウン前に、と焦ってくださったらしい。 ありがたい〜。 いつか恩返しができますように。 まずは足首を治さないと。 そしてその頃は多分ミラノのロックダウンが始まっているでしょうから いずれにしても家から出れない、、。 足首にはその方がきっとプラスでしょう。 しっかり治したいと思います!
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ベルギー修道院で行われている恒例の茶道セミナー2020年1月 毎週水曜日の茶道のお稽古が半年ぶりにスタート。 消毒とマスクを徹底しながら、久しぶりにお点前の練習が できることに。 なぜ茶道をするのか? 裏千家ローマ支部を50年以上前に始められ、 その間ヨーロッパ中にお茶の精神を広められてきた恩師・野尻先生が、 ヨーロッパではロジカルにその意味を説明できないと、受け入れられないと おっしゃったことが印象的だった。 18歳でお茶のお稽古を始めた時は、 大叔母の親友である、明治生まれのおばあさま先生に ご指導いただき、本当に何も考えずただお茶に通っていた。 どこまでも優しくて朗らかな先生にお会いすることが楽しみで、 そして清らかな茶室と美しいお道具など、 日常とはまったく違う、澄んだ空間に身におけることに惹かれて。 初心者からまったく何年も上達しない私を “いいんですよ、いつか身体が覚えますから”と ニコニコしながらいつもおっしゃっていた先生。 その優しさに甘えて、向上心はほぼゼロと言っていいほど、 ただなんとなく通っていたのだった。 多分若かった私は、茶室をドカドカと歩き、お道具の扱いもさぞ雑で きっとハラハラされたに違いない。 そんなことをおくびにも見せず、いつも果てしなく優しかった先生。 不真面目極まりない生徒である私が、後ろめたさをかかえながら 久しぶりにお稽古にいくと、嬉しそうに目を細められて “まぁ、あなたおえらいわね!お忙しいでしょうに。 よくいらしたわね!”とおっしゃられる。 そんなとき私は申し訳なさすぎて、そして天使のような純真な先生に 涙がでそうになったものだった。 先生が示してくださった姿勢や、かけてくださったお言葉は 何十年経ったいまもずっと私の中で光を放っている。 ミラノに来て、長いブランクの後に通い始めたお茶は、 日本で接したお茶と随分違い、座禅と呼吸が要と習う。 まったく違うお茶の側面に今は強く惹きつけられて、 野尻先生の"心のお茶" を少しでも身につけられたらと願っている。 イタリアにいるおかげで、京都からいらした禅のお坊様に ベルギーの修道院で接心(座禅を学ぶこと)を指導いただけるなんて 誰が想像しただろうか。 日本の心を未知の地で広められて来た野尻先生の薫陶を受け、 ヨーロッパのさまざまな場所でご指導されている日本人の先生方。 そして茶室まで作ってしまうほどお茶に献身している、 ヨーロッパ人の先生方。 お道具や環境も限られた中、工夫しながら努力されているのは すごいこと。 こうした方々にご指導いただくことができて、とても恵まれていると思う。 人生はまだまだ楽しいことが、きっとたくさん待っている。 昨晩一緒にいただいたポルチーニ茸のパッパルデッレ 食以外のことで、久しぶりに心浮き立つことがありました。
それは、素敵な年上の女性との出逢い。 敬愛する方のご紹介で初めてお会いした時に、 なんて素敵な佇まいの大人の女性なんだろう、と 惹かれましたが、昨晩はすっかりこの方に魅了されました。 はじめてゆっくり二人でお食事させていただき、 お話すればするほどにあふれ出る、 たおやかさ、凛とした姿勢、目線の高さ、知性、潔さ、 清々しさ、優しさ、可愛らしさ。 こんな大人になりたい!と思わずにはいられないのでした。 身だしなみやプレゼントしてくださった贈り物のセンスも 特別で、私もこうしてみよう、ああしてみよう、と お洒落したくなりました。すごく久し振りに(汗)。 私より想像以上に歳が離れていらっしゃると伺ったときには あぁ、こんな素敵な目標がいてくださる!と嬉しくなり。 素敵に歳を重ねた方の、内面から出る美しさや優しさは 特別なものですね。そして多分好奇心が旺盛でらっしゃることも 若さの秘訣なのかもしれません? イタリアに住んでいると、ずいぶん年上や年下の友人にも 接する機会があり、友人の年齢の幅が大きくなりました。 これは私の人生を間違えなく豊かにしてくれたこと。 ただ昨晩のようにさまざまな点で深く共感する憧れる女性に 出逢えたことはなかった、初めて気づくことになりました。 こんな風に心底共感できて、こうなりたい!と憧れる先輩の女性に イタリアに来てここ10年ほどはなかったなぁ、と。 素敵な女性からいただく刺激の大きさに、驚いている次第。 なんだかとっても元気に、楽しくなりました。 旅行、家族、文化、歴史、古い映画などなど 話は尽きず、あっという間に過ぎ去った数時間。 私もよりたくさんの本を読んで、たくさんの映画を観て、 そしてたくさんの美しいものを観て、彼女のように 内面を耕していきたいと思いました。ワクワク。 素敵な生き方に接することは、まさに人生の宝物。 ご縁をくださった日本のAさんに感謝して。 愉しく、そして自分らしく、頑張りましょう! つい先日まで夏だと思っていたら、今週から秋を本格的に感じるようになりました。
写真は、近所の大型食材店の野菜売場。かぼちゃに栗、そしてポルチーニ。 馬肥ゆる秋、食欲の秋。 秋の味覚を想像するだけで、やっぱりワクワクするものですね。 ふと気づくともう9月も終盤。 あと2週間ほどで、シチリアではザハラの畑でオリーブの収穫が始まり、 その1週間ほど遅れて、トスカーナのカペッツァーナ が収穫が始まります。 そして日本に送るバーギズの職人パネットーネも準備に入ります。 もう楽しみで楽しみで楽しみで楽しみで、たまりません! 今年はどんな仕上がりかな、と。 自然の作物ですから、当然オリーブオイルの出来も多少は年ごとに変わります。 品質は高く保っても、微妙な風味や酸度の違いは当然でてきます。 ぜひ今年の風味がどんな風か、ぜひ楽しみにしていただけたら、と思います。 ** 10月はほとんどミラノにいないほど、現場に赴く出張三昧です。 本当に久しぶりの出張です。 仕事の大切なパートナーである生産者の方々と 久しぶりに実際に会えます。また畑で働く方々とも1年ぶりの再会! 実際に畑に行けて収穫の様子をみれたり、 パネットーネの工房で長い長い1日を見学しながら 現場で過ごせるのは、もう想像しただけでワクワクします。 畑にいれるのは、この仕事で一番のハイライトのようなもの。 普段は、輸入手配、品質管理や新商品のラベル制作や法律のこと、 ホームページやオンラインショップ関連のこと、 そして経理(あぁ、、ずいぶん溜めてます、、税理士の先生ごめんなさい) など、ひたすらコンピューターに向かう時間がほとんどですが、 ものづくりの現場に立ち会えるのが、やっぱりこの仕事の原動力! みなさまに畑や工房の様子、生産者さんと取り組みなど 伝えられるよう、なんとか頑張ってみます! いつもトンボがえりの出張でしたが、今年はいつもよりは 少しながくいて、現場の仕事を注意深く見させていただき、 より学べたら、と思っています。 ぜひお付き合いいただけたら嬉しいです! みなさまにとっても、充実の秋になりますように。 PS:おかげさまで想像以上の多くの方に搾りたてオリーブオイル、 職人パネットーネのご予約をいただいています! ぜひ旬の味をご堪能いただけますように! https://www.lacucinetta.com/ 4月23日にNHKの番組「世界は欲しいものであふれている」でご紹介いただいて、そろそろ2ヶ月が経とうとしています。ご注文のお届けにいつもより随分かかったにも関わらず、長くお待ちいただきましたみなさまに心より感謝しています。上記は今年2月に撮ったパンテレリア 島の写真です。
NHKの取材が入ったパンテレリア 島の出張は2月で、幸運なことにまだコロナウイルスの被害がイタリアには報告されていない時でした。その後、未曾有の被害をイタリアにもたらしたコロナウイルス禍。イタリアは残念ながらまだ終焉というには遠い状況ですが、やっといまは普通の暮らしが少しずつ戻りつつあります。 ロックダウン中、イタリアから日本に向けてなんとか商品を出荷するように必死だったこと、そしてNHK番組放映後の反響は想像を超えて大きく、この点でも忙しくさせていただけたことで、家の外のイタリアの、世界の悲しすぎる状況に気持ちが捕らわれて抜けられないとならず、ある種救われたと思っています。 人生が長くなると、コロナウイルスのような想像もしない世界規模の悲劇に立ち会うことも起こるのかも。20年間なんとか会社を続けていると、一度ぐらいはテレビに取材いただけるような幸運もあるのかも。そんな風に感じたロックダウン期間でした。 生産者のみなさんはこの間、大変な努力で出荷を実現してくれました。ソーシャルディスタンスのために、いつもの半数の作業スタッフ、頻繁な消毒、届かない瓶やラベル、世界中から舞い込む注文、思う通りにならない運送、、。朝5時から夜中までの2シフトにしたり、それぞれが苦労しながらなんとか荷物をだしてくれました。お互いの信頼関係がこういう非常時にどれだけ大切かということも、切実な学びになりました。 長くお待ちいただきましたが、やっとなんとか7月初めにまず第一便が入荷となります。少しでもお届けが早くなるように、二便で手配しました。第二便は7月末ごろから8月初めを予定しています。 楽しみにしていただいている品を早くお届けできるよう、スタッフ一同努めてまいります。 ながくながくお待ちいただき、本当にありがとうございます。 どうか、もう少しお待ちいただけますように。。。 |
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