プーリア州の州都バーリに向かう飛行機の中です。
オフィス仕事に追われる日々を少しだけ一段落(と願いたい)、先週は久しぶりに 北はベネト州のパネットーネ作りの現場に足を運んできました。 良い品を作る!という生産者の気概に触れることは、とても刺激が大きく 仕事の原点に立ち戻ったような気持ちに。周囲から”気狂い”と周りから 呼ばれる彼らは、いたって純粋。 美しいトレヴィーゾの街も初めて訪れ、イタリアの多様性がどれだけ豊かかを 実感する出張でした。これは少しずつまとめてみたいと思っています。 先日の日曜日は、突然友人に誘われピエモンテへ。これは仕事でなく、あくまで自主トレ。 ミラノとトリノは、早いと45分で到着する電車も!トリノからはローカル線でのんびり、 1時間ほどで世界遺産にも登録される、バローロなどのワイナリーが並ぶランゲの 美しいぶどうの丘を眺めながらアルバに到着。 ピエモンテでは、スローフード団体の方にインタビューしたり、 母校である食科学大学に、国連FAOで働く友人を案内したり、 日本の木桶の食文化(時間をかけた、昔ながらの高品質な調味料)後世に残すプロジェクトに 共鳴しビールを醸してもらっている、イタリアのマイクロブルーワリーの草分けであり リーダーであり続けるバラデン社を、木桶ビールの様子を見に訪ねました。 学びと刺激が多過ぎて、頭が混乱。パソコンに張り付いているばかりじゃダメですな、ついと独り言。 そして今バーリに着陸します。プーリアでは、畑で秋に向けての仕込みをしっかり行います。 好評いただいているラ・プロンタシリーズもさらに美味しくできるよう、チベリーノ社に1日はこもります。 事務仕事に追われ時間がないと、さぼってばかりいた書き物、とりあえず近況を書いてみました。 以下の写真はベネトに行く途中の車窓から。秋にむけて緑豊かな葡萄畑。 久しぶりにがんばるぞー、の独り言でした。
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パリ訪問時にはイタリア生産者の品を持参し、ご興味を持ってくださったプロの方々を訪ねました。味わって目を丸くしていただいたり、お褒めの言葉をいただくと、とても誇らしく、生産者の方々にガッツポーズを心の中で送るのは、パリも日本も同じ。愛用してくださるところもでてきて、小さなご縁でも繋がっていくことが、とても嬉しく。食材のサンプルは液体が多く嵩ばるので、この点からも、ミラノからのんびり電車での旅がちょうどよいのでした。 さてフランスとイタリアはお隣同士ですが、食となると以外と遠い印象。パリでさえ、イタリア食材の高品質素材はなかなか最近まで見かけませんでしたし、また美味しいイタリア料理屋さんというのもひと昔前は探すのが難しかった、、、。パリで食べるパスタは、なぜかノビノビで。 フランス人がイタリア料理を学ぶ図は、なんだかとても想像しにくく。16世紀にカトリーナ・デ・メディチがカトラリーやアイスクリームを持ち込み、フランス食文化形成に貢献したという説がありますが、以外と距離があるこの2国。素材重視のイタリアと、ソース文化で技術が優れたフランス。ただ最近のパリでは、新鮮なブッラータもよく見かけるほどに、イタリア食材も市民権を得てきたようです。 さてパリでの日本食文化の浸透度、フランス人に尊敬される日本人、フランス人に愛される日本のモノが増えているのを、足を運ぶ度に感じますが、今回すばらしいタイミングに居合わせました。それは、合羽橋の釜浅商店さんのパリ店オープン。サン=ジェルマンの少し裏手、素敵な中庭に面した場所にデビューされたのです。 魅力的な料理道具が、コンパクトな店内にぎっちり。フランス人の料理人だけでなく、一般の人にも喜ばれるだろう包丁、鍋類、骨抜や、鍋敷きなど。日本に帰国しても合羽橋までなかなか足を運べず、スーツケースにもいつもパンパンでスペースの余裕がない私には、まるで夢のような光景。電車なので荷物の重量は関係ない!価格も一生モノと思えば、手の届かないわけではない、良心的な価格設定!夢の夢だった羽釜、北京鍋(名前を入れてくださった!)、南部鉄のフライパンを、ミラノまで抱えて帰ってきました。もう、嬉しくて嬉しくて。 今までは土鍋を使ってご飯を炊いていましたが、羽釜を使うとご飯がしっかり立つような、格別な仕上がり。まだまだ火加減等も研究中ですが、炊きたての今まであまり使わなかったお櫃も、毎日のように使うようになりました。北京鍋のおかげで、簡単な野菜炒めもぐんと美味しくなり、ほんとうに良い買い物をさせてもらいました。
昔昔のこと。大変お世話になった料理研究家の草分けでもある大先生のところに、まだ20代だった私が、美味しさに感激したトスカーナのオリーブオイルを持ち込んだとき「良いオリーブオイルと塩でこんなに料理が美味しくなると知っていたら、料理の道に進まなかったかもしれないわ」と、ポロリとおっしゃったことを思い出しました。 シンプルなご馳走、それが暮らしの基礎になったなら、どんなに豊かな毎日でしょうか。丁寧に作られた食材や調味料、そして永く使える道具を使ってお料理すること。そんなキッチンでの、食卓でのいい時間。おいしいこと、身体も喜ぶこと。食卓でのおいしい笑顔、、。心豊かな暮らしに、食材を通して少しでも貢献できるように頑張りたい!と改めて思うのでした。 日本に帰国しました。タイミングよく桜を堪能できる時期に帰ってこれて、本当に嬉しい。 写真は、横浜オフィスの近くにて。顧問を交えた今期の振り返りミーティングの前に、20分ほど みなでお散歩。夢のような光景を堪能しました。週末は、山梨の実家でゆっくり過ごす予定です。 東京よりも少し開花が遅いので、タイミングが合えば良いのですが。 とても有難いことに、昨年よりもお取り扱いいただく小売店さんや、 レストランさんとのご縁が増えました。なんて幸せなことと、感謝の気持ちでいっぱいです。 たくさんの方に応援していただき、こうした有難いご縁を頂戴しました。 どうか、その先のお客様に喜んでいただき、そして小売店の方々、レストランの方々にも 喜んでいただいていますように。ご縁が永く続きますように。 私たちの食材は決して売りやすいものではないのですが、販売してくださる方々と 私たちとの間に強い共感があると、少しずつですが、長いお付き合いをさせて いただいていけるのでは、と感じています。 添加物を使用しないで、その分手間や時間をかけて丁寧に作ることの価値や共感の輪と 言うのでしょうか。。。 昨日、とっても嬉しいことがありました。 大切なお取引先のひとつ「ドレステーブル」さんの新事業「トリュフ・ベーカリー」にて オリーブオイル2種に、カーサ・モリミの品を選んでご紹介してくださっていました。 数多くの仕入先がある中で、私たちの品をチョイスしていただけるのは言葉がないほど嬉しいこと。 オフィスの下のショップでも、たくさんの品々を並べていただいています。 ミーティング毎に、たくさんの刺激をいただき、お客様でありながらも 同志のような、仲間のような。 尊敬と共感と刺激があるから、毎回ドレステーブルさんとの打ち合わせは楽しい。 こうした環境でお仕事できることにとても感謝しています。さぁ、4月からも背筋を伸ばして 頑張って行こうと思います。今後とも、よろしくお願いいたします! 下はドレステーブルショップ(現在は臨時閉店中)とすぐ近くの桜。
オリーブオイルのザハラ、グエルゾーニのホワイトバルサミコ酢、10年熟成バルサミコ、 横になっていて見えないですが、マシャレッリのパスタも。 朝、近所のカフェでコーヒーを飲んでいたら、「Auguri alle tutte le donne! 全ての女性たちよ、おめでとう!」と 言いながら入ってくる男性がいました。そう、今日はFesta della Donna=女性の日。 イタリアではこの日、街中にミモザが溢れます。 今日は久しぶりに待ち望んだ太陽も顔をだして、ミモザの鮮やかな黄色が、真っ青な空に よく映えて春を感じる、心弾む1日となりました。 あちらこちらでAuguri!おめでとう!と声をかけられ、男女問わず友人たちからAuguri! のメッセージ。 仕事の取引先からもこんなメールが。 Oggi, otto marzo è la Festa della Donna. Questa giornata porta con sé la necessità quasi imprescindibile di ricordare tutti gli sforzi compiuti dalle donne di tutto il mondo per ottenere rispetto, emancipazione ed equità sia sul lavoro che nella vita di tutti i giorni. Auguri a tutte le DONNE! 今日は3月8日、女性の日。私たちはこの日、職場および日常生活において女性の尊厳、解放、平等のために世界中で為された努力をよくよく思い出さなければなりません。全ての女性に幸運を! こんなメールを仕事のコラボレーターに書く女性も、そのことを誇る会社も素敵なこと。 職場にもヒューマニティがある(少なくともそうであろうとする人が多い)イタリアは、 素晴らしいなぁと思います。 私たちが今日享受する女性の権利も、半世紀少し前に女性の権利のために戦った人々がいるからこそ。 母親世代、祖母世代に比べてチャンスと自由が格段に多い、私たち。 つい恵まれていることを忘れがちですが、ミモザを翳してこの時代に感謝したいと思います。 男性と肩を並べて競うのではなく、女性らしさを大切にしながら。 Auguri alle tutte le donne! 女性に幸あれ! 左下:朝のカフェ、右下:野菜の間に飾られたミモザ、市場の八百屋さんにて
夜の散歩途中にて 日本出張が少しずつ近づいている。日本に持って行く数々のサンプルや、緊急に手配が必要なもの
などで、ダンボールの山がどんどん増えていく。 スーツケース2つとトローリー1つに、山のようなサンプルをギュウギュウに詰めて 人間宅急便のように飛行機に乗るのが常なのだけれど、予想以上に今回は恐ろしく重くなりそうで、 どうやって電車に乗れるか(なんとこの荷物でフィレンツェ、ローマから日本へ発つという 無謀なプラン、、、。まさかこれほどに荷物が予定ではなかった、、、)今からハラハラしながら 過ごしている。そして、全てのサンプルがちゃんと着いてくれるかも、ハラハラしながら電話をしまくり、 無事に着くようにひたすら祈っている。 本当の締切日よりも1週間前に締め切りを設けていると、なんとかやっと間に合うということを 何年もかかり身につけた。そして日本のようにメールを送ったらやってくれるということは ほぼあり得ず、ひたすら電話で追いかけないと、動いてもらえないということも、 たくさんの痛い経験を経て学んだ。 サンプルをお願いする=新商品選定にあたり、毎回とても悩むことがある。 私たちは、自分たちが心から良いと思うものをお届けしたい。 自然の恵み、昔ながらの智慧、人の手(経験を積んだ手)が介在することを 大切にし、当然、添加物が使用されていないものをラインナップし続けている。 添加物を製造過程でも使用しないように(ラベルに表記の必要がなくても)、 大きなロットになっしまっても(小さな私たちには背伸びな行為ながら) 特別なレシピで作ってもらうこともある。 これは生産者の方にも負担をかけることになるが、そこはどうしても 大切にしたく、譲れないところでもある。 低温殺菌などができない食品であれば、当たり前に賞味期限は短くなってしまう。 そうすると飛行機で取り寄せなくてはならないこともある。 結果、どうしても価格が高くなってしまう。これはどうなんだろう、、、。 また素晴らしい品でも、あまりに高いのはやっぱり躊躇してしまう。 本当に喜んでいただける価格帯なのか、自信をもって「ぜひどうぞ!」と 言えるのかどうか、、。 様々なリソース(人力、資金力など)が限られている私たちだから、 ラインナップするものは心から自信をもって勧められるものでないと とてもやっていけない。 食卓で「美味しいね〜」と幸せな気持ちになっていただけることが、 私たちのミッション。それには、どうしたって品質と価格の関係も重要だ。 同時に、膨大な手間をかけて素晴らしい品をこの世に生み出してくれている生産者の人々の 仕事にもしっかり報いたいし、仕入れることで彼らの仕事を讃え、次世代に伝えて欲しい。 あぁ、悩ましい。。この点は、限りなくいつも悩ましい。 生産者、お客様、そして私たち。関わる人々が無理なく長く幸せになることは何なのかな、と 今日もまた悩ましいのでした、、、。 |
Casa Morimi
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