つい先日まで、陽射しの中に春の足音を感じられそうだったのに、 ここ数日の冷え込みはとても厳しく、以下の通りイタリア中央部トスカーナは カペッツァーナ農園から雪景色が届きました。 雪はオリーブの樹に悪影響なのでは??と心配だったのですが、先日 カペッツアーナの農学博士であるフィリッポから、以下の言葉を教えてもらいました。 Sotto la pioggia, c'e' fame. ( 雨が降ると、腹が減る=実りなし) Sotto la neve, c'e pane.(雪が降ると、パンがある=実りあり) カペッツァーナのような有機栽培では、雪は虫の卵などの病気やトラブルの種を 根絶してくれるそうです。 数日前は、南イタリアでも大雪。 普段は冬でも太陽が降り注ぐローマにさえも雪が振りニュースに。 首都ローマは雪に備えていないので、都市が機能せず電車ダイヤが何時間も狂い、 寒い中にアナウンスさえもない状態で、ローマ駅で何時間も待たされた出張者や旅行客の 怒りが爆発、そして返金などの長蛇の列、クレームの嵐が吹き荒れたそうです。 (驚かないですが) 3月4日に総選挙を控えたイタリアでは『雪さえも極右政党の票に貢献するのでは』と、 こうした事態を心配する声も上がるほど。(極右は『北部連合』という名で、 GNPの大部分を生み出す北イタリアに重きを置いた政党) 現在の政権は、中道左派ですが、これがどうやら続かなさそう、、。なぜなら党内の 仲違いで二つの政党に分かれたから。(戦略的にかなり間違っているけれど、何度も これを繰り返していると聞きました、、涙)一方、中道右派と極右派は手を携えて票を まとめる方向にあるのだとか?(友人情報) お願いだからベルルスコーニの再来だけはやめてくれ、と心から祈るのでした。 実際、最近ニュースでもこの顔がよく登場して憂鬱になります。 友人たちからは『これでまたイタリアが20年後戻りをする、、、』と絶望の声。 税金や固定資産税をカットする政策で、嫌いだけれどやっぱりお財布には優しい方が、 と票が集まると聞きました。とほほ。そんな人々に警告をならすためなのか、 とあるNPOがミラノ駅、ローマ駅で、イタリア政府の莫大な借金総額を電光掲示板に 表示しているそうです。よく考えて投票しなさい、というメッセージなのでしょう。 さてそんなことはさておき、下はプーリアの有機オリーブオイルの生産者ラグーソが 送ってくれた写真。南のプーリアも数日前は、こんな状況。 ミラノも今朝から雪。まだまだコンコンと雪は降り続いています、、。
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先週、棚からボタ餅が落ちてきた。
スカラ座で今夜行なわれるProva Generale(最終リハーサル、ゲネプロ)のチケットがあるから行かないか、と夕方18時頃ごろ友人から連絡が入る。40分後にスカラ座の前に行けば、彼の友人でスカラ座の舞台美術に携わる友人が、チケットを握って待っていてくれるという。 チケットは2枚、演目はヨハン・シュトラウスの『Il Pipistrelloこうもり』。 ほぼ同時に手をあげたのは、私と同世代で我が家の隣に住む、在イタリア20年以上の日本人の友人。仕事をなんとか終え(たことにして)、慌てて少しマシな格好に着替え、彼と家の下で待ち合わせし、ミラノのド真ん中・ドゥオモからすぐ近くのスカラ座に向かって早足で歩くこと20分。無事に約束の時間にスカラ座に到着、チケットを友人の友人から有り難く頂戴する。ミラノは小さな街なので、本当に有り難い。 ゲネプロというのは関係者しかいないので、指揮者もオーケストラもジーンズなど私服でカジュアルな格好。また馴染みも多い観客ということもあり、最終リハーサルといえ、なんだかリラックスした雰囲気が流れる。一方で、オペラ関係者の観客ゆえ、ステージを見守る眼は真剣かつ愛情に満ちているようだった。過去2回だけゲネプロを見れた、ごく限られた経験の中での感想でありますが。 舞台の歌い手カンタンテ達は、本番の衣装に身を包んでの最終リハーサル。このオペレッタは、誰でも知っているワルツが満載、話もごくシンプル、とにかくとにかく楽しい。あぁ、オペラあるいはオペレッタとは、その時代の大きな娯楽だったのだなぁ、、と実感。 今回はモダンなセッティングで、主役達は現代のイタリアンファッションに身を包み、壁にはウォーフォールが飾られ、イタリア現代社会ならではの税金や政治のジョークも満載。舞台は、観客とともに双方向で作るという話を想い出す。そういえばこんな話しがあった。同伴の友人は、自宅で多くの人をもてなすのだが、ある日若手の日本人指揮者が招かれた席に、私もご一緒させていただいた。彼は指揮棒を振っている最中、後ろから観客のエネルギーを感じることがあるという。 もうひとつ、私が忘れ難い話しは、意識というかテレパシーというか、見えないコミュニケーションの話。彼が指揮を振っていて、たとえば何かの奏者の音を頭の中で描き忘れていると、その奏者は演奏に入ってこれないという。これは次元は(かなり)違っても、私のような仕事にも通じるのではないかとふと思った。例えば、なにか新しいプロジェクトが舞い込んでも、そのプロジェクトに意識や気持ちを配らないと、そのまま消えてしまう。とにかく形にするには、まず意識をそこに持っていくというか、気持ちやエネルギーを送るというか、常に思い描くというか、、。 さて私たちの席は、天井桟敷の中でも一番上の上、階段を上りに上り、遠く下に見える舞台。。。ただ幸運なことに舞台に割と近く、スカラ座バレー団の群舞のシーンなども、とてもよく見えたのでした。なんせタダなもので、文句も言えたものではありません。ただただ感謝、感謝。 楽しかったねぇ、となんやかんやと二人で話しをしながらまた歩いて23時に家の下に到着、余韻を楽しみプロセッコでも一杯、ということで、彼の家に上がりこんだところ、ヴェネト州トレヴィーゾに行った際買って来たパスタとパスタソースでぱぱっと夜食を準備してくれる。本当にまぁ、美味しいものがある家で、私の運をここに使い切ったら困る、と思うほど、この友人には日々助けてもらい、また楽しい思いをさせていただいている。 ベニスの上の方にある美しい街トレヴィーゾ(一番行ってみたい街)のビゴリと、パスタソース。パスタソースは玉ねぎとアンチョビ。茹でるだけで15分ぐらいかかるしっかりしたムッチリパスタに、このソースをたっぷりかけていただくのが、本当に美味しくて。もちろん、素材はいたってシンプル、添加物なし。地方の昔ならではのこうした食品は、イタリアの宝。ずっと残っていてほしい。二人でワルツを口ずさみながら、パスタをほおばり、いつものごとく馬鹿な話で涙がでるほど大笑い。デザートは金柑と干しアプリコットのはちみつ漬けクローブ風味。最後まで幸せな夜でした。 ミラノの4連休の最終日の日曜日。朝からグレーな空が広がり、身体の芯まで凍えるような寒さ。
ふと窓を見ると、雪が降り始めていました。隣に住む友人のところに用事に行った際、窓からパチリ。 気温はただいまマイナス1℃。夜まで降るようです。 こんな天気には、暖炉でも点けて暖を取れたら、どんなに素敵でしょうか。 ミラノの古い家々には、屋根にたくさんの煙突が並ぶのを見て取れますが、 ロンバルディア州のの条例により2006年以来、空気汚染を防ぐために禁止されているそうです。 (La Stampaという新聞記事より) 11月、何週間も雨が降らなかった折、PM汚染がひどくなり、交通規制がありました。 これで暖炉のある人が、薪をたいたら大変な公害になるのでしょう。 ミラノの多くの子供たちが、呼吸器を家に備え持っていると知り驚きました。 咳に悩んでいた知り合いの方も、ミラノから車で20分の郊外に引っ越した途端咳が止まった、と。 ミラノ市は空気汚染防止に必死。自転車通勤、通学を推奨し、バイクシェアリングも、自転車用道路も この数年でずいぶんと増えました。私もステーション型バイクシェアリングBike MIをよく利用しますが、 今まで年間36ユーロでサービス利用していたところ、、この12月からさらに値下げし、 年間利用料が29ユーロになるとのこと。 この9月からミラノ市は、新世代の乗り捨て型バイクシェアリングOFO も導入。 スマートフォンでQRコードを読み込んでロックを解く仕組みらしいです。 はじめの30分は20セント(27円ほど)、その後の30分は30セント(40円ほど)。 さらにミラノの自転車生活を選ぶ人が増えそうです。 ローマではミラノと同じ時期にバイクシェアリングが始まったようですが、 盗難が多くてすぐに中止になったと、ローマ在住の友人談。本当なのかなぁ?? さぁ、温かいミルクティでも入れて、もう一仕事がんばります。 今日は久し振りに、ミラノの南に位置するナヴィリオ(運河)地区を通りました。
今週はミラノの聖人サンタンブロージョの祭日で、ロンバルディアにおいては木曜日から4連休。 金曜日の夜はいつも人で溢れているナヴィリオですが、さすがに今日は人が少なく、 ライティングを眺めながら、ゆっくりと歩きました。 静かな夜、運河沿いにずっと連なる光をみて、なんだか少し厳かな気持ちに。 あっという間に年末が近づいてきますね。 年を重ねる度に、時間がより慌ただしく過ぎていくようです。 ここナヴィリオが舞台になっている、宮崎駿の映画『紅の豚(ポルコロッソ)』を 急に見たくなりました。 いつも行く市場のお花屋さんに、クリスマスのリースが登場していました。 今の時期も人気の紫陽花。眺めているだけでも、幸せな気持ちに。 いつものカフェにも、パネットーネが飾られていました。
一歩ずつクリスマスに近づいているようです。 |
Casa Morimi
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