“どうやってホワイトバルサミコは作られるの?” ご愛用いただいている方からのご質問。 グエルゾーニの有機ホワイトバルサミコはご愛用くださる方が多く、 同じことを知りたいと思っている方もいるはず?と せっかくの機会なので書いてみたいと思います。 まずは素材のぶどうから。 グエルゾーニはバイオダイナミック農法を実践しており、 (究極の有機栽培とも言われています)土壌をとにかく豊かにすることが 彼らの重要な仕事のひとつ。 バルサミコの本場・モデナの在来種5種を栽培していますが、 ホワイトバルサミコはそのうちの白い(というかグリーン?というか)ぶどう 2種が原材料です。 トレビアーノ・モデネーゼ種と、モントゥーニ種。 グエルゾーニはお酢にするために、ぶどうを自家栽培しています。 一般的には、傷がついて食用として売れなかったものを果汁にすることも 多いようです。果汁を買い付けてバルサミコにする場合とは、 そこから大きく品質が変わってきます。 果実に傷がつく=酸化するということですから。 大切に育てられた美しいぶどうは、惜しげもなく彼らのバルサミコ作りに 使われるのです。この時点でもう美味しくないはずはありません。 次はモスト作り。 バルサミコの原材料はぶどう100%ですが、 50%がモストといい、ぶどう果汁を煮詰めた濃縮ぶどう果汁です。 収穫後、彼らの畑の一角に位置する加工場でまずぶどうの果汁を搾ります。 その果汁を今度は煮詰めていきます。 このモストづくりが、美味しさの秘密! グエルゾーニは低温でじっくり機械で果汁を回転させながら、 なんと48時間もかけてゆっくり半分に煮詰めていきます。 私が訪ねたいくつかのアチェタイア(酢醸造所)では 24時間でモストにしているところがありましたが、 それでもすごく手間をかけている印象だったので、 グエルゾーニの三代目のロレンツォがさらっと48時間と 言ったときには、ひっくり返りそうになりました。 彼にとっては、大切に育てたブドウの風味を守る方が重要なのです。 だから彼にとっては尋常ではな手間も、当たり前のことなんでしょう。。 原材料のあとの50%は、同じく自家製ぶどうから 独自につくるワインビネガー。 バルサミコの原料にするために、まず自家製のぶどうでワインを醸し、 1ヶ月ほど時間をかけてお酢にしたのが、グエルゾーニのワインビネガー。 とても珍しい特徴があります。それはワインの酸化防止剤である 亜硫酸塩が含まれていないこと! グエルゾーニはお酢のためにワインを作るので 市販のワインビネガーと違い、酸化防止剤が含まれていない きわめて稀少なお酢なのです。 ただしグエルゾーニのイタリアのラベルには 亜硫酸塩をふくむ、と書いてあります。 むむむ、なぜでしょう?? 何も加えていない100%ぶどうが原材料のグエルゾーニ。 それなのに、おかしいのですよね? 元来ぶどうの果実には、亜硫酸塩が天然に含まれているのです。 検査機関がお酢を分析する方法でなく、ワインを分析する方法で 検査する場合、天然の亜硫酸塩も数値になってしまうリスクが あるそうなのです。 検査で亜硫酸塩がでて、ラベルに記載してない場合には、 最高2000万円ほどの罰金を払う、という法律ができてしまった のです。 グエルゾーニには2000万円も罰金を払える規模の生産者では ありませんから、リスクを避けてイタリアでは記載することに なってしまいました。あまりにも理不尽で、大手に有利な 法律です。 果汁を買い付け数時間で煮込んで添加物を加える、工業製品のようなバルサミコと、 グエルゾーニの膨大な手間をかけて自然に長い時間をかけて作っているお酢が 区別できないような法律が、他にもいろいろあるのです、本当に残念ながら。 正直ものはバカをみる、ということは食品では決してあっては ならないと思うのですが。おっと、話が横にそれました、、。 ホワイトバルサミコは熟成する?しない?
ホワイトバルサミコの特徴は、ぶどうの甘酸っぱさ。 そしてホワイトの名前の通り、バルサミコとは対照的に 琥珀色をしています。 ホワイトバルサミコを、グエルゾーニの定番バルサミコ (表記していませんが、2年熟成なのです)のように 樽熟成させると、色が濃くなってバルサミコと同じように なってしまうのです。 そのためホワイトバルサミコは熟成しません。 自然の恵みそのままなので、収穫年や収穫するタイミングで 色がいつもより濃かったりすることもあります。 熱処理していない、良いバクテリアが生きたお酢です。 なので、美味しいだけでなく、身体にとても良く、 またグエルゾーニのお酢はミネラルが多く味わい深いので、 サラダにお塩が不要になります。減塩効果! ぶどうの甘さが生きているので、すし酢として使えたり 酢味噌に使えたり、牛乳に加えて甘いヨーグルトドリンクになったり。 減糖効果も素晴らしいのです! 土づくりや、バルサミコの樽熟成のことは省いたのに 長くなってしまいました。。。 使い方、楽しみ方はまた別の機会にぜひお付き合いください!
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毎年この時期になると、何をしていても気持ちはオリーブ畑へ。
いよいよ収穫まであと1ヶ月を切り、搾ったばかりのオリーブのジュースを 今年も日本のみなさまにお届けできると思うと、ワクワクドキドキしています! フレッシュでグリーンなオリーブのジュース(原材料は果実100%なので、 ある種ジュースなのですが) のような新油をご紹介できること、 コロナ禍の特別な時期がありましたら、ますます感慨深いです、、。 今年はNHKの番組「世界はほしいモノであふれている」にて、上記右の写真を “私の原点”としてご紹介くださり、そのおかげで番組放映直後から想像を超える 本当に多くのお問い合わせを頂戴いたしました。 カペッツァーナ のこのグリーン色の液体を一口味わい、 その鮮烈な味の衝撃に一週間ほど取り憑かれ、とうとう輸入することに。 こうして思いがけず輸入食材屋の小さな一歩が始まったのです。 ** こんなに素晴らしいオリーブオイルを知っていただくきっかけを 作っていただいたことに大いなる感謝を感じることと同時に、 実は不安でなんとなく落ち着かない気持ちでした。 なぜなら、過去10年ほどを振り返っても収穫量が以前にくらべて極端に減っており、 昨年もご希望に添えず、早めにご予約を打ち切ったほどなのです。 カペッツァーナ は、自らのオリーブの実しか使いません。 当たり前のことのようですが、実はとても稀なのです。 2014年、100年以上の歴史の中で初めて収穫量がゼロのときは 彼らは1本も販売しませんでした。 彼らの頭の中には、他の生産者から買ってカペッツァーナの瓶に 詰めるなんてことは、想像もできないのです。 1年間の仕事が無になるなんて、本当に辛いこと。 " La Natura decide 大自然が決めることだから” と彼らは言います。 彼らの誠実で真摯な姿勢を、心から尊敬しています。 ** 今年は、カペッツァーナ の搾りたてオリーブオイルをご紹介して 18回目の秋。 毎年楽しみにご愛用くださっているお客様方がいらっしゃいます。 長く長く支えてくださっているお客様に、まずお届けしたい。 同時に番組をご覧くださり、ぜひ!と楽しみにしてくださるお客様にも ぜひ味わっていただきたい。 そうなると、さぁ、そこで今年の収穫量はどうなのか。。。 ミラノから祈るような気持ちで、南の空を仰ぐ日々が続きました。 雨が降れば、オリーブの畑にも降っているかしら?樹々が喜んでいるかしら?と 気になり、急に暑くなったりするとオリーブの天敵のオリーブミバエは 発生せずに済むかしら、と気になり、、。 雹が降ろうものなら、せっかく成長しているオリーブの実が 振り落とされたり、傷がつくのではと、もうハラハラ。 オリーブは自然の法則で、1年たくさん実をつけると、次の年は休むという 特性があります。品種や土地にもよりますし、またいつも必ずそうというわけでは ないのですが。なので本当に大自然がくださる恵みなのです。 ** いよいよ8月の終わり。 シチリアのザハラ からは、質も量も今年はとても良いよ!と吉報が!! (昨年は通常の20%の収穫量しかなかったのです)良かった〜〜〜!! そしていよいよカペッツァーナ 。あぁ、どうか神様、、、。 「とっても良い年になりそうだ!!」 いつもクールな農学博士のフィリッポが、興奮気味に伝えてくれたとき、 ”救われた、、、”という気持ちと同時に、“本当に良かったね”が 溢れてきました。 ここ数年はずっと生産者の方々には辛い収穫年が続きました。 1年間ずっと愛情を込めてオリーブの樹々を世話をし、見守り、 やっと来る秋の収穫。 それが今年は、久しぶりにしっかり報われそうなのですから! そうは言っても収穫には限りがあります。 リクエストも多い分、しっかりお届けできるよう確認を重ねた上で、 先週末にやっとご予約をスタートいたしました! ●OLIO NUOO 2020 搾りたてオリーブオイル https://www.lacucinetta.com/SHOP/187259/list.html 長くお待ちいただきましたみなさま、ありがとうございました。 早速、予想を超えるたくさんの方々からご注文をいただいています。 本当にありがとうございます! この旬の恵み、グリーンのジュースをどうぞみなさまに お楽しみいただけますように! |
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