昨年をのぞき、ここ数年は年始に茶道と座禅の講習会に参加しています。 ローマをベースにされている野尻先生をお呼びして、 ベルギーの修道院にヨーロッパ中から20数名ほど弟子が集まり、 朝・夕、1時間ずつの坐禅、その後午前・午後とお茶のお稽古をつけていただきます。 新しい年の初めに自然の中で、心静かに茶道と座禅を学べる貴重な時間。 今回の講習会で何度か思い出す言葉がありました。それは『マインドフルネス』。 『今』に意識を向け、その『今』を大切に生きる。私たちはともすると、先のことばかり 考えていたり、過去にとらわれていたりで、この『今』を生きていない。もっと 『今』を『人生』を味わおう、というのがマインドフルネス(と私は理解しています) 『マインドフルネス』は禅の思想から生まれたものですが、宗教色がなく、 イタリアでも話題になっています。私も近所のマインドフルネスのコースに何度か通い、 瞑想ワークショップにもたまに参加して、心を空にする訓練を試みています。 (全くできませんが、、) オランダ人の茶人の先生に、今回お点前を見ていただいた際にもらったアドバイスがあります。
それは『働く手を、目が追うようにしなさい 』。お点前の最中、私の目はいつも次の動作を 気にしてそちらを向いているというのです。 動かしている手に、視線を置いてそこに100%集中する。そうすることで、100%今に集中する。 本当になかなか難しいことです。お茶のお点前だけでも、実現するのには ライフテーマです、、。 講習会では朝7時からと午後6時から、1時間ずつ座禅を行ないます。 なぜ茶道のお稽古に座禅が必要かというと、それは『呼吸』。 呼吸を深くゆっくりすることで、落ち着いてお点前ができ、 お客様にも心配りができ、そして茶道の目的である 『Serenity 心の安らぎ、落ち着き』をお客様にお届けすることができる。 座禅をするときも、深い呼吸を試み、意識を呼吸だけに向けて、 頭と心を空っぽにする。これが本当にできないし、難しい。 それでもひたすら試みるわけですが、、。 日本で茶道を習っていたときには、茶道=呼吸なんて考えたこともありませんでした。 ローマをベースに50年以上ヨーロッパでお茶を広めてこられた野尻先生とのご縁に 恵まれ、初めて茶道とは何か、どうして私たちは茶道を学ぶのか、禅の心などを 学ぶことができました。野尻先生いわく、お茶のお点前でいつも落ち着けるならば、 日常生活でも仕事でも、身体から無駄な力を抜いてリラックスし、多くのことに 気づいて成果を出せるはず、とのこと。 ◆野尻先生が昨年ブルガリアワードを受賞されました https://www.vogue.co.jp/feature/bvlgari/170308/aandr2.html#movie 今回の講習会にかかっていたお軸は『茶禅一味』。茶道と禅は一体であるとの意。 今年は、暮らしの中でひとつひとつを大切に向き合い、存分にその時間を味わうよう 精進していきたいと思います。できないなりにも、、。
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プーリア州バーリでお世話になっている、ティベリーノ家のマンマ・リーナはローマ出身。
クリスマス前に出張でお会いした際に、手作りのローマのお菓子『パーネ・ジャッロ・ロマーノ』を 渡してくれました。もうすぐ80歳のマンマではありますが、今もオフィスのパソコンで 一家の経理業務を担当、その上孫のお世話に、家族のご飯づくりまで。 いつもニコニコ可愛いスーパーマンマ。私の知る南イタリアの方々は、本当によく働きます。 お正月、マンマの愛を感じながら少しずつ大切にいただいているこの『パーネ・ジャッロ・ロマーノ』。 ローマの冬のお菓子ですが、起源は帝国ローマ時代まで溯るそうです。 パーネ・ジャッロにも様々な種類があるようですが、蜂蜜とヘーゼルナッツ、松の実、 くるみ、干しぶどうなどの原材料がベースのよう。 こういうマンマの手作りに触れる度、毎回思うことですが、あと10年経ったとき 私たちの世代のどれだけの人が継承できるのか。イタリア人の友人たちを見回すと 皆仕事をしていて、マンマたちがしていることをやる余裕もスキルもなし。 (日本に置き換えると、私の母がやっている毎年の梅仕事や、お祝いのお赤飯や お月見仕度など、季節の仕事を私はほとんどできません、、、) マンマが元気なうちに、教えてもらえることは教えておいて欲しい。 貴重な無形文化、ぜひ機会があれば学びたいといつも思いつつ、早もう10年近く。 一番残念なのは、イタリア家庭料理の魅力を教えてくれた、 親友アンナのマンマが他界してしまったこと。 今年こそは少しずつ各地のマンマに教えを乞えたら、と願っています。 2018年、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2017年はみなさまにとってどんな一年だったでしょうか。 今年もますます充実する一年となりますよう、お祈りしております。 カーサ・モリミでは、昨年、長年の念願だったカタログを作成しました。 スウェーデン・ストックホルムからカメラマンのジェニーさんにミラノまで来ていただき 6月の猛暑の中、2日間でかなりのカット数を撮るという大強行撮影で写真を準備しました。 私たちの品々を、暮らしの中に美味しく役立てていただきたい、という想いを たっぷり込めて作りました。ただ予算もかけられないため(涙)、 自分たちの力でできることを精一杯頑張って。 いつかプロの方々のお力などもお借りしながら、もう一歩工夫をした レシピ提案ができるようになれば、と夢みています。 このカタログは、お取り引き様他、オンラインでお買い上げくださった方々に 同送させていただいています。 カタログの実物はまだ手にしていないのですが、 苦労した分、手にするのが楽しみで楽しみで。もうすぐ日本から郵便で 届くはず。ちょっとドキドキしています。 上の写真は、オンラインショップで買い物をしてくれた友人が送ってきてくれました。 ストックホルムのジェニーにも早く見てもらえたら嬉しい、なんとも頑張ってくれたので。 熱風が身体にまとわりつく状況での撮影中、彼女が一言、『I can not function myself well』 とぼーっとつぶやいたことがまだ耳に残っています。それでもまだもう一カット、まだもう一カット とチャレンジする彼女をみてて、思わず『根性』という二文字が彼女のイメージに なったほど。カタログに限らず、本当に多くの方々のご縁に支えられて今があります、、。 小さな小さな会社の私たち。予算も、人力も、リソースが限られていますが、 それでも、できることを少しずつ増やして、もっとみなさまのお役に 立てるようになりたいと切に願っています。 私たちを信頼して恊働してくれているイタリアの生産者たち。 彼らのお仕事も、もっともっと知っていただけるように、、。 一歩ずつ、できることを努力工夫して、2018年もゆっくりでも確実に 少し前に歩めたら、と願っています。 私たちの品をご購入くださった方々に、 幸せに、心豊かになっていただけますよう。 日常で、ホッとする時間を持っていただけますよう。 食卓での美味しい笑顔を増やしていただけますよう。 2018年も頑張りたいと思います。 今年も、どうぞよろしくお願いいたします! |
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